核心にシュートを!BACK NUMBER
「眼球に骨が…もう少しで失明ですよ」“日本代表デビュー即5ゴール”30歳FWがホンネ激白「W杯はまだ全然」ジャーメイン良、覚醒の背景に家族愛
posted2025/08/28 06:00
30歳での日本代表初招集ながらE-1選手権で大ブレイクしたジャーメイン良。サンフレッチェ広島の練習場でインタビューに応じてくれた
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ミムラユウスケYusuke Mimura
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骨が折れて眼球に…もう少し深ければ失明でしたよ
「おまえ、怖くないのか?」
ケガから復帰して、最初の練習でのこと。実践を想定したゲーム形式のメニューで、彼は以前と同じようにクロスボールに飛び込み、当たり前のように強烈なヘディングシュートでゴールネットを揺らした。普段であれば厳しく指導することも多い監督が驚いたのは、直前の怪我がアスリートとしては致命的な事態を招きかねないほどの深刻なものだと知っていたからだ。
その選手の名前はジャーメイン良。7月に韓国で行なわれたE-1選手権(旧東アジア選手権)では1試合4ゴールを含め、大会5得点の活躍で、MVPと得点王に輝いた、30歳の日本代表オールドルーキーだ。昨シーズンのJリーグで、日本人最多となる19ゴールを叩き出した。
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ただ、彼は昨シーズン、大きな怪我を負った。
診断名は左前額骨陥没骨折。おでこの左側の陥没骨折だった。5月6日の東京ヴェルディ戦では相手ディフェンダーと激しくぶつかりながら、ヘディングシュートでゴールネットを揺らした。そのままプレーし続けたものの、試合後に救急車で病院に救急搬送され、件の怪我が発覚。医師からはこう言われた。
「(目頭のところにある)骨が折れて、眼球に当たっていますよ。この骨がもう少し深く内側に入っていたら、目につきささって失明していたところでしたよ」
怖いかどうかよりも、チームのために点を取りたい
その後の手術は無事に終わり、負傷からおよそ3週間で練習に一部復帰。徐々にメニューを増やしていき、ゲーム形式のメニューにも加わった。当時のジュビロ磐田の監督を務めていたのは、2022年のカタールW杯日本代表のコーチも務めた横内昭展だったが、修羅場を経験してきた指揮官にとっても、あまりに勇敢すぎるジャーメインのプレーには心配を覚えたようだった。
なお、同様の大怪我をして以降、恐怖心に襲われる選手も少なからずいるはずだ。そうした選手に対してのアドバイスはないかと聞かれると、ジャーメインはこう答える。

