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なぜ遠藤航はリバプールで生き残れたのか? サッカー人生最大の“冷遇”「上司ガチャ」に巻き込まれても腐らない究極の思考法〈プレミア王者の日常〉 

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小野晋太郎

小野晋太郎Shintaro Ono

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photograph byRobbie Jay Barratt - AMA/Getty Images

posted2025/08/15 11:01

なぜ遠藤航はリバプールで生き残れたのか? サッカー人生最大の“冷遇”「上司ガチャ」に巻き込まれても腐らない究極の思考法〈プレミア王者の日常〉<Number Web> photograph by Robbie Jay Barratt - AMA/Getty Images

いよいよ新シーズンが開幕するプレミアリーグ。連覇を狙うリバプールで、遠藤航はどんな輝きを放つだろうか

 不満をはくより、背中で魅せる。決断は最大の目標から逆算して考えるのが、遠藤の思考法。つまり「最適解」だ。サッカー人生の目標は3つ決めている。

・CLでの活躍
・ワールドカップ優勝
・プレミアリーグ優勝

 果たすための環境は、リバプールにいることが現状は一番だ。目標から逆算して、現状の不遇は一回受け入れる。移籍をすぐに選ぶよりも、リバプールで現状を打破することを目指せば良い。口で言うのはたやすいが、それを実現してしまうのが、ここまでの遠藤の真骨頂、歩んできたキャリアだった。

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 結果、出場の機会すら与えられなかったシーズン序盤から1分、4分……と、徐々に出場時間は延びていく。チームが首位を走り続ける中「勝利の方程式」として立場を掴むと、スロットは会見の度に遠藤の名を挙げるようになった。

「何分間プレーするかが常に重要というわけではない。2分でも非常に重要になることもあるし、90分プレーしてもあまり重要でないこともある。ワタが特別なのは5分、10分、20分、25分でも、我々が彼に頼らなければならない時に彼は必ずやってくれるということだ。とても簡単な話に聞こえるが、実際はそうではない」

「監督ガチャ」をプラスに変える。なぜ、遠藤はここまで信頼を勝ち取ることができるのか? もちろんメンタルの強さだけでは、この世界最高のビッグクラブでプレー機会は与えられない。その答えは遠藤が、世界でも有数の「ジェネラリスト」だったことにある。複数のポジションをこの世界トップレベルのクラブで「普通に」こなせるユーティリティ性だ。

第3回に続く〉

#3に続く
「俺がやってることできる選手が他にいる?」32歳遠藤航がリバプールで得た“特別待遇”「上司ガチャ」を好転させるスキルと生き方〈プレミア開幕〉
この連載の一覧を見る(#1〜3)

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