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「ポテンシャルからすれば三冠王とトリプル3両方ですわ」阪神・佐藤輝明はなぜ覚醒した? 大学恩師がゲキ「絶対にタイトルを獲らなアカン」
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喜瀬雅則Masanori Kise
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/08/31 11:02
今季ついにそのポテンシャルにふさわしい数字を叩き出している佐藤。若き日にその才能を見出した近大の恩師に覚醒のわけを聞いた
三冠王とトリプル3、両方いける
「こいつのポテンシャルからいえば、三冠王とトリプル3(打率3割以上、30本塁打以上、30盗塁以上)、両方いけるんとちゃうかなと思いますけどね。問題は打率でしょう」
だから田中は、今季の“三冠射程圏内”にも、むしろ「打って当たり前」と力説する。
上宮高での監督・コーチ生活は、1985年から2001年夏までの16年間。野手なら巨人・元木大介(現野球評論家)、中日・筒井壮(現阪神1軍外野守備兼走塁チーフコーチ)、日本ハム・中村豊(現中日1軍外野守備走塁コーチ)、ヤクルト・三木肇(現楽天監督)、投手なら広島・黒田博樹(現広島球団アドバイザー)、ロッテ・薮田安彦(現野球評論家)ら、教え子たちにもビッグネームがずらりだ。
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2025年夏に激戦区・大阪を制して甲子園出場を果たした東大阪大柏原高が、初めて大阪の夏を制した2011年、監督を務めていたのは田中で、その時の4番が石川慎吾(現ロッテ)。さらに2014年から9年間、近大監督を務め、楽天・小深田大翔、阪神・畠世周をプロに送り込んでいる。
名将はいかに佐藤を発掘したのか?
あらゆるタイプの選手たちを育て上げる手腕も、潜在能力を見抜く確かな目も兼ね備えたアマ球界を代表する名指導者が、自ら発掘し、育て上げ、いまや押しも押されもせぬ阪神の主砲へと駆け上がった佐藤に、その確かな道筋をつけたのだ。
〈全4回の1回目/2回目につづく〉

