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広陵高校「甲子園辞退問題」の論点…高野連はどこで“対応を誤った”のか?「処分の実情…被害者に寄り添えていなかった」元朝日新聞記者の自戒 

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安藤嘉浩

安藤嘉浩Yoshihiro Ando

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posted2025/08/11 17:08

広陵高校「甲子園辞退問題」の論点…高野連はどこで“対応を誤った”のか?「処分の実情…被害者に寄り添えていなかった」元朝日新聞記者の自戒<Number Web> photograph by JIJI PRESS

野球部内の暴力事案を発端とした広陵高校の辞退に揺れる甲子園

「従来、泣き寝入りしていたようなことが…」

 最後に、SNS時代の対応だ。

 自由に情報や意見を発信できるSNSは重要な手段であり、否定するつもりはない。ただ、多くのメリットの一方で、様々なデメリットが問題視されているのは周知の事実だ。

 今回の事案でも、広陵高校の堀校長が会見で、「SNSなどで配信されている画像や投稿の中には、事実と異なる内容、臆測に基づく投稿、生徒の写真など、関係しない生徒への中傷や加害の予告も見受けられます」と明かし、「校長として生徒、教職員、地域の方々の人命を守ることは、最優先することだということを踏まえ、辞退に踏み切ることを決意しました」と話している。

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 今後も、出場校に関する様々な情報や噂がソーシャルメディア上で拡散される可能性がある。日本高野連や大会主催者は、どのように対応すればいいのだろうか。

 日本高野連の寶馨会長は「フェイク的な情報もあると思うが、情報が流通することは決して悪いことではありません。今まで握りつぶされていたことが明らかになることや、従来、被害者が泣き寝入りしていたようなことがなくなっていくこともあると思います。悪い面ばかりではないと思うが、誤情報には気をつけないといけないし、時代の変化に迅速に対応していかないといけないと考えています」と話している。

 今回の広陵高校の一件では、SNS時代の初動対応の難しさが改めて浮き彫りになった。また、被害者側の心情に寄り添う姿勢の欠如が、過去に類を見ない騒動へと発展した要因となった面は否めない。

 暴力行為は断じて許されない。一方で、多感な10代の若者たちの日常には、些細なことによる感情のぶつかり合いやいざこざが絶えないのも事実だろう。

 そんな生徒たちの今と将来を守るために最善を尽くす責務が大人にはある。

 指導現場である学校、大会運営者、そして我々メディアも含めて、高校野球のあり方をいま一度見つめ直す必要性がある。自戒を込めて、そう思った。

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