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横浜F・マリノス史上最長のキャプテン・喜田拓也が激白! J2降格の危機にどう立ち向かうのか「みんなで乗り越えたときに本当の絆が生まれる」
text by

二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byShigeki Yamamoto
posted2025/08/09 11:03
クラブ史上初のJ2降格の危機に直面している横浜F・マリノスのキャプテン喜田拓也がチームの現状と展望を語った
7月5日の横浜ダービーに勝利し、喜田が出場停止で不在のなか、続く名古屋グランパス戦(20日)でも勝ち点3を積み上げて18位に浮上する。残留圏内にある17位ベルマーレにも勝ち点3差に迫っている。アンデルソン・ロペス、永戸勝也が移籍した一方で、イスラエル代表FWディーン・デイビッド、ブラジル人MFユーリ・アラウージョ、J2いわきFCからFW谷村海那を獲得。ケガで離脱していたFW植中朝日、DFジェイソン・キニョーネス、MFジャン・クルードらも戻ってきた。新たな離脱者もいるとはいえ、ここにきて戦力は整いつつある。
喜田はスクールからプライマリー、ジュニアユース、ユース、そしてトップチームとF・マリノス一筋。F・マリノスの申し子であり、今でもユニフォームのエンブレムを目にすれば気持ちのスイッチが入るという。
「やっぱり仲間っていいなって」
クラブ史上最大の危機を、クラブ史上最長となる7年連続の絶対的キャプテンが中心となってみんなで乗り越えてこそクラブの新たな財産にもなる。
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「これはみんなともよく話をするんですけれど、良いときだけみんなと一緒にいたいと僕は思わない。喜ぶときだけではなくて、苦しい思いも一緒に噛みしめて、歯を食いしばってみんなで乗り越えたときに本当の絆が生まれるんじゃないかって思うんです。チームメイトも、監督もスタッフもクラブの人も、そしてファン・サポーターも。そういう意味で、クラブ全体の力が試されているし、マリノスの伝統を受け継いできた人たち、先輩たちのためにもJ1残留は絶対に果たさなければいけない。僕自身、今は凄く前向きな気持ちでいます。
僕は人生において仲間を大切にすることを一番にしてきました。苦しい思いを一緒に過ごしているなか、やっぱり仲間っていいなって強く感じています」
結束を強めて向かう夏場の戦い。もう怖れるものは何もない。
いや、苦しいのは苦しいですよ。
そう言いながらも30歳の名キャプテン、喜田拓也は吹っ切れた、実にいい表情をしていた。
<第1回から続く>

