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「メジャーのレベルに達してなかった」元中日・小笠原慎之介の本音評…ナショナルズ番記者に現地で直撃…電撃昇格→わずか2試合でマイナー降格のウラ側
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水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph byGetty Images
posted2025/07/26 06:00
マイナーに降格したナショナルズ・小笠原慎之介。現地で番記者の評価を聞いた
「ケガ明けで長いイニングも投げていなかったし、(7月6日に)昇格したのはかなりサプライズだった。球速がそこまでない分、多くの球種を織り交ぜるスタイルなのはいいが、彼はどの球をどの状況でどこに投げたらメジャーの打者からアウトを取れるか、学ばなければならない」
それでは、期待外れということなのだろうか。
「ナショナルズが日本から直接、選手を獲得したのはオガサワラが初めてだ。日本で球団の知名度を高めたい、日本のマーケットにアピールしたいという思惑が球団にあり、日本人選手をほしがった。そうした意味でオガサワラがベストの人選というわけではなかったが、もしブレイクしてくれれば儲けものというくらいの考えだったと思う。突然の昇格は本当に予想外だったが、あのときは先発ローテで投げる投手がいなかったので、試すのにはちょうどいいタイミングだったのではないだろうか。メジャーでの2試合の登板は良い結果ではなかったが、もがきながら必死に何とか抑えようとしている努力は伝わってきた。昇格してきたときはうれしそうだったし、明るいハッピーガイだし、チームにも溶け込んでいた」
電撃昇格→降格のウラ側
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MLB公式サイトのバイロン・カー記者は、小笠原の突然の昇格とわずか2試合でのマイナー再降格をこう伝えている。
「先発ローテの5番手は流動的で、オガサワラにもチャンスを与えたが、メジャーでの2試合はめった打ちにされた。ミゲル・カイロ暫定監督がオールスター休みの間に考えて出した結論は、ローテ5番手からオガサワラを外し、リリーフとして好投を続けていた新人ブラッド・ロードを抜てきすることだった」
先発ローテが定まらない分、チャンスは巡ってきやすいが、候補は他にもいるためチャンスを与えられる回数はそう多くはなかった。しかも、開幕を傘下3Aロチェスターで迎えてからわずか3試合の登板で右脇腹を痛め、約2カ月間にも及んだ負傷者リスト入りから復帰後わずかの間をあけての登板がメジャーでのデビュー試合だった。小笠原にとって、厳しいチャンスの与えられ方だった。
そんな状況を踏まえ、小笠原に同情的な番記者もいた。
ワシントン・ポスト紙のアンドリュー・ゴールデン記者だ。

