大谷翔平初の5戦連発でも三冠王射程ジャッジでも本塁打王“陥落危機”…メジャー壮絶タイトル争い「なんと元阪神守護神がセーブ王まっしぐら」

大谷・由伸の球を受けるスミスが“ナ唯一の3割打者”

　MLBは100試合以上を消化したが、NPBと同じタイミングで投打のタイトル争いを見ていこう。セイバーメトリクスの進展によって、打者は本塁打、投手は奪三振以外の指標が「参考記録」的な扱いになっているが、今シーズン活躍している選手の目安にはなるだろう。以下、すべて現地7月23日時点。まずは打者から。

【打率】
〈ア・リーグ〉
ジャッジ（ヤンキース）.345（374打129安）
ペーニャ（アストロズ）.322（317打102安）
アランダ（レイズ）.318（333打106安）
ウィルソン（アスレチックス）.311（366打114安）
マイヤーズ（アストロズ）.308（289打89安）

〈ナ・リーグ〉
スミス（ドジャース）.323（266打86安）
ストワーズ（マーリンズ）.295（325打96安）
フリーマン（ドジャース）.295（336打99安）
フレリック（ブルワーズ）.294（344打101安）
エドワーズ（マーリンズ）.292（342打100安）
※大谷翔平（ドジャース）.273（395打108安）／25位
※鈴木誠也（カブス）.256（391打100安）／44位

ADVERTISEMENT

　アはジャッジが初の首位打者に向けて走っており、本塁打と打点次第では三冠王も射程に入る。ナは大谷や山本の球を受けるウィル・スミスが唯一の3割打者。捕手が首位打者になれば、2009年のジョー・マウアー（ツインズ）、2012年のバスター・ポージー（ジャイアンツ）らと肩を並べることになる。

スミスはナ・リーグ唯一の3割打者だ　©Nanae Suzuki

【最多安打】
〈ア・リーグ〉
ジャッジ（ヤンキース）129安（102試）
ビシェット（ブルージェイズ）117安（99試）
ウィットJr.（ロイヤルズ）116安（102試）
ウィルソン（アスレチックス）114安（93試）
ディアズ（レイズ）113安（97試）

〈ナ・リーグ〉
ターナー（フィリーズ）119安（100試）
チョーリオ（ブルワーズ）115安（101試）
アラエズ（パドレス）111安（96試）
マチャド（パドレス）111安（102試）
デラクルーズ（レッズ）108安（103試）
大谷翔平（ドジャース）108安（101試）
※鈴木誠也（カブス）100安（98試）／23位タイ

　アはジャッジが有望。ナはターナーが3度目の最多安打を目指している。

ジャッジと大谷の本塁打王争いライバルとは

【本塁打】
〈ア・リーグ〉
ローリー（マリナーズ）39本（99試）
ジャッジ（ヤンキース）37本（102試）
カミネロ（レイズ）26本（97試）
グリーン（タイガース）25本（100試）
バクストン（ツインズ）23本（83試）
ウォード（エンゼルス）23本（100試）

〈ナ・リーグ〉
大谷翔平（ドジャース）37本（101試）
スアレス（Dバックス）36本（101試）
シュワーバー（フィリーズ）34本（102試）
クロウアームストロング（カブス）27本（100試）
鈴木誠也（カブス）26本（98試）

　アは両打の捕手ローリーが依然、ジャッジをリード。ローリーは62本塁打ペース。2021年にロイヤルズのサルバドール・ペレスが記録した捕手の本塁打記録48本は軽く抜きそうだ。ナは3年連続のタイトルを目指す大谷に対して、3試合5本塁打のスアレスが並んだ。しかし大谷もキャリア初、日本人選手初の5試合連続本塁打を放ち、再び一歩前に出た。鈴木はキャリアハイを更新中。

　ジャッジと大谷という両リーグきってのアーチストが、前年に続く本塁打王に向けて快走中――とならないのが、MLBらしさか。

【次ページ】　ジャッジと大谷は打点王争いでも…