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甲子園の風BACK NUMBER
練習時間は90分、グラウンド使用は週2日でも…「偏差値73」大阪の超進学校に現れた186cmエースが目指す“ベスト16の壁”越え「体重は去年から7kg増」
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沢井史Fumi Sawai
photograph byFumi Sawai
posted2025/07/04 11:01
大阪府でも屈指の進学校である三国丘高校。野球も3年連続で府ベスト16に進出する強豪公立校だが、ポテンシャル十分の大型投手はその壁を破れるか
実は三国丘は21年に続いて松本がいた22年、そしてその文野が主戦となった23年と3年連続で大阪の16強に進出している。昨年は3回戦で敗れたものの、チームを「勝たせられる」大黒柱をずっと見続けてきたことも吉満の投手としての意欲を掻き立てた。
「文野さんはストレートが速くて、打者を圧倒できる力があったので参考にすることばかりでした。自分も球は速い方でしたが、コントロールも含めてもっとストレートの質を磨かないといけないと思わされました」
現在のストレートの最速は139キロ。だが、チームを率いて20年近くになる辻英生監督は、吉満の第一印象をこう明かす。
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「高校入学後にピッチングを初めて見ましたが、松本や文野に比べて速い球というより強い球を投げられる。不器用なところもありますが、力で押せるところが魅力です。
性格は、とにかく真面目で一生懸命。真っすぐな性格なんですけれど、真っすぐすぎるので少し適当なところがあってもいいくらいですね。トレーニングが好きで、入学して以降、トレーニングでかなり体重が増えましたが、正直、私からすればむしろ(筋肉を)つけすぎとも思っているんです(苦笑)」
筋トレ好き…体重は昨年から7キロ増
取材での話しぶりを見ていても、進学校のエースらしくハキハキと話す姿が印象的だ。
中学2年生ですでに身長は180センチあり、背の順番は常に後ろの方だった。それでも高校入学後は身体の線の細さを気にしていたという。
筋力トレーニングについて尋ねると、吉満はやや嬉しそうな表情を浮かべこう口にする。
「筋力トレーニングは本当に好きで、グラウンドで練習ができない日はほとんどトレーニングに時間をかけています。体重は去年の夏から7キロくらい増えました」
三国丘では他の部活との兼ね合いもあり、平日5日間のうちグラウンド全体を使った練習ができるのは週2日のみ。グラウンドを使う日は実戦中心の練習メニューだが、グラウンドが使えない日は校内にあるトレーニングルームで汗を流すことが多い。

