練習時間は90分、グラウンド使用は週2日でも…「偏差値73」大阪の超進学校に現れた186cmエースが目指す“ベスト16の壁”越え「体重は去年から7kg増」 

　さらには三国丘では定時制高校があるため、放課後は17時半までしか練習できず、7限授業がある曜日は1時間半ほどしか練習できないのだ。

　今春の府大会の初戦の花園戦で、先発した吉満はノーヒットノーランを達成している（スコアは6－0）。四死球は5個を数えたが、2種類のカーブとスライダー、チェンジアップなどを有効に使い、10個の三振を奪った。

　辻監督は「ピッチャーは低めに丁寧に投げなさいと言いますが、吉満には投げていい高めのコースがあるんです。そのコースでうまく詰まらせることができるからなのですが、花園戦はそのボールを振ってくれたのも（無安打無得点に）繋がった」と振り返る。

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　吉満は野球人生初の快挙をこう振り返った。

「2種類のカーブは速いのと遅いのがあるんですが、速い方はほぼスライダーみたいな感じなんです。左バッターにチェンジアップ、右バッターも真っすぐやチェンジアップをうまく使うことができました」

春季大会1回戦ではノーヒットノーランも達成。一方で続く大阪桐蔭戦では不運も重なり7失点　©Fumi Sawai

大阪桐蔭相手でも「捉えられたのは2、3本」

　2回戦は王者・大阪桐蔭との一戦。先発マウンドに立ったが0－7と完敗した。

「相手が大阪桐蔭ということで力みもあって、変化球でストライクが取れませんでした」と4四球とリズムを乱したことを悔やんだ。だが「左バッターのインコースを突くピッチングは冬場からずっと練習してきたので、インコースの真っすぐで三振を取れたことは収穫です」と胸を張った。

　7安打7失点。さらには味方の失策などが失点に絡んだが、辻監督はこう振り返る。

「失点は重なりましたが、力でしっかり捉えられた当たりは2、3本しかなかったと思います。あとは詰まったポテンヒットが多かったですね。桐蔭さんからしたら打って勝ったという感じではなかったかも知れません。ウチはエラーが多かったですし、ランナーを出せばすぐに盗塁される場面の繰り返しで……。守備が崩れたのは痛かったですが、吉満はそこまで悪くはなかったと思います」

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