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豪州戦「8カ月前と同じ」日本代表の問題点修正に猛アピールした“新戦力”を超詳細分析! 「森保監督の求める対応力」を見せたのは“あのCB” 

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佐藤景

佐藤景Kei Sato

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2025/06/20 17:01

豪州戦「8カ月前と同じ」日本代表の問題点修正に猛アピールした“新戦力”を超詳細分析! 「森保監督の求める対応力」を見せたのは“あのCB”<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

ボール運び、縦パス供給など積極的なプレーを見せ、E-1選手権でも活躍が期待される鈴木淳之介

日本の攻撃的布陣の問題点

 実際、中国戦やバーレーン戦など大量得点を実現した試合は多いが、オーストラリアのような実力国が割り切って守りに徹した場合、当然ながら攻め崩すのは難しい。アジアを勝ち抜くための攻撃的な布陣も、決して万能のフォーメーションではなかった。

 前述の10月シリーズは敵地でサウジアラビアに2−0、ホームでオーストラリアに1−1と引き分けたものの、今回はついぞネットを揺らせず、終了間際に失点。0−1で敗れた。中を締めて攻撃を外回りさせるという、前回も効果を発揮した日本対策を再びやり切られてしまった。

インドネシア戦で修正されたセンターバックの動き

 こうした問題点は、前編でも触れた通り、インドネシア戦では改善されていた。1トップを務めた町野修斗の働きや役割を整理した佐野海舟の躍動、それに加えて中途半端だった左右のセンターバックの位置取りが修正されたことも大きい。関根大輝と町田浩樹(46分以降は瀬古歩夢)から高井幸大、鈴木淳之介に先発が変更され、2人は積極的に前にボールを送る姿勢を示した。

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 遠藤航が頻繁に下がって3バック中央の瀬古と2センターバックの関係を作り、それと同時に右センターバックの高井、この日が代表デビュー戦だった左センターバックの鈴木淳が開いて高い位置を取った。インドネシアの1トップ+2シャドーと3対4の関係を作ると、スムーズな運びと展開で攻撃を形作っていった。

 前半11分、敵陣中央、相手ブロックの手前でボールをキープする遠藤の左側に並ぶように、鈴木淳が進出。横パスを受けて左足でクロスを供給し、町野のヘディングを導いた。シュートは惜しくも外れたが、センターバックが攻撃に厚みを加える日本の狙いが表れていた。

 一方で右センターバックの高井も、右シャドーの位置から久保建英が右後方に降りることで広がった相手MFの間を通すようにタイミングよく縦パスを差し込んだ。久保が空けたスペースに下がってくる町野や内側をとる右ウイングバックの森下龍矢、1列上がった佐野海舟らへ積極的にボールを届けた。

【次ページ】 評価すべき鈴木淳の出来映え

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