大学4年間で箱根駅伝初優勝から4連覇「青学大2014年組」中村祐紀と田村和希の出会い「同期の中でバチバチに」「アイツはすごく尖っていた（笑）」 

田村が1年目の箱根で区間新を叩き出す

「最初は、ただ強い先輩たちを眺めていただけだったんですけど、その時から先輩たちの中に入れたなぁというのを感じました。箱根の直前も『選ばれたらがんばれよ』って声をかけてくれて、厳しい目線というよりも和気あいあいと一緒にがんばろうというのが伝わってきました。同時にちゃんと力をつけていかないとダメだな、ここはそういう社会なんだなと思いました」（田村）

　先述のように1年目の箱根駅伝は4区に出走し、区間新で区間賞を獲得。田村の名前は一躍メジャーになった。

「大学のエースになりたい、とかはそんなに思っていなかったです。入学時、中村にタイムで負けていましたけど、箱根駅伝に出るということでは彼を抜いて、箱根で初優勝のメンバーになれた。一気にジャンプアップして、出来すぎだなという1年目でした」

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　田村の飛躍は、2年目もつづいた。

原晋監督（右から2人目）率いる青学大は91回箱根駅伝で悲願の初優勝を果たす　©Nanae Suzuki

中村のライバル心

　中村は、持ちタイムがトップで入学してきたプライドもあり、箱根を走れなかったことで、大きな悔しさを抱えていた。2年では絶対に田村には負けないと自分に誓い、ライバル心をむき出しにした。中村を含めた2年生全員が「あいつには負けない」という気持ちを前面に押し出して練習をした。

「自分は学内のレースは速いんですけど、本番のレースではあまり走らないので、監督からは『8掛け男』と言われていたんです（苦笑）。でも、（2年時の）世田谷ハーフで優勝して、それが終わった後のミーティングで『9割9分、お前を箱根で使う』とみんなの前で監督が言ったんです。それがすごくうれしくて……。それからは気合と高いモチベーションを維持していたんですけどね」（中村）

　青学大は前年に箱根初優勝を果たし、キャプテンの神野をはじめ、久保田、小椋ら4年生が軸になって2連覇を達成すべく、チームの雰囲気はピリピリしていた。11月の段階で“箱根出走”の確約をもらった中村は、コンディションに気をつけ、絶対に本番で外さないようにと考えていた。だが試合が近づくうちに、それがプレッシャーに変わっていった。

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