球体とリズムBACK NUMBER
「ゴミが落ちてない!」息子はポケモン好き…なでしこデンマーク人監督が驚く“日本代表の国民性”「モリヤス監督、超ハードワーキングだ」
text by

井川洋一Yoichi Igawa
photograph byJFA/AFLO
posted2025/05/03 11:05
北中米W杯最終予選サウジアラビア戦、歓談する森保一監督とニールセン監督
「男子も女子も、ボールスキルは申し分ない。自分も監督として、そこを最大限に活かしていきたいと思っています。守備の場面では、フィジカル勝負が得意とは言えないため、力ずくでボールを奪うというよりも、相手の懐にすっと潜り込んでボールをスティールするのがうまい。これも日本人選手の独特な武器だと思います。
ただ世界の舞台で先に進んでいくには、フィジカルも高めていかなければならない。スティールするだけでなく、力ずくで奪うことも必要になります。先ほども話したように、フットボールはふたつのペナルティーエリア以外の場所もあり、そこはボールが跳ねたり、イーブンになったりしがちなエリアです。そこで優位に立つには、やはりフィジカルも重要になってくるでしょう」
ハードワーク、ゴミが落ちていない…国民性なのでしょう
男子代表の森保一監督とも会話をし、W杯本大会行きを決めたことを祝福したら、逆にシービリーブスカップ優勝を讃えられたという。そして互いの成功を誓い合った。
ADVERTISEMENT
「森保監督は見事な仕事をされています。彼もまた、私が会った日本人の多くと同様に、極めてハードワーキングな方という印象を受けました。やると決めた物事に真摯に取り組むのは、日本の国民性でもあるのでしょう」
国民性という点で、ニールセン監督はピッチ外からも感じることがあった。女子選手が生活するアカデミーの寮を訪れた際、大きなカルチャーショックを受けたという。
「日本ではどこに行っても清掃が行き届いていて、通りにゴミはほとんど落ちていませんよね。ゴミ箱はほとんどないのに、どういうことなのか、最初は理解に苦しみました(笑)。でもアカデミーの寮に行った時、その理由がわかりました。
彼女たちが共同生活をしている場所は、部屋の中も外も整理整頓されていて、床にはゴミ一つなく、衣類はちゃんと畳まれていました。しかも、そこには清掃員がいないと聞きました。だから彼女たちは、自分で清潔に保っていると。つまり、これは教育によるものなのだとわかりました。デンマーク人も、自分で掃除をすることは得意ですが、日本のほうが綺麗です。これは子供を育てている私にとっても、良い刺激になっています」
娘はハローキティ、息子はポケモン大好きなんです
日本文化に触れたのは、ニールセン監督だけではない。今回の来日期間には、監督の家族も日本を訪れていた。試合会場のある大阪で共に過ごし、休みの日のスケジュールもあらかた決めているという。

