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「ゴミが落ちてない!」息子はポケモン好き…なでしこデンマーク人監督が驚く“日本代表の国民性”「モリヤス監督、超ハードワーキングだ」
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井川洋一Yoichi Igawa
photograph byJFA/AFLO
posted2025/05/03 11:05
北中米W杯最終予選サウジアラビア戦、歓談する森保一監督とニールセン監督
「私の家族は皆、もともと日本のことが大好きなんです。デンマークの家の軒先には、桜を植えていて、春になるとささやかな花見をします。そして、先ほども話したように、妻が作る寿司をよく食べます。娘はハローキティが大好きで、息子はポケモンの大ファンでテレビゲームもよくやっています。
だから大阪では、オフの日に間違いなく、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに連れて行ってほしいとせがまれるでしょう(笑)。それから私の妻はダイバーなので、水族館にも行こうと話しています。日本にはスケールの大きな水族館があるそうですね」
様々なトピックにポジティブな反応を見せ、積極的に語るニールセン監督とのインタビューは、気がついたら約束の時間が迫っていた。まだまだ訊きたいことはたくさんあったが、最後に彼の出身地グリーンランドの時事的なイシューについて、質問した。
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誠実なデンマーク人指揮官は、その問いにもきちんと向き合い、事象の背景と故郷グリーンランドとデンマークの人々の思いを教えてくれた。「少し感情的になってしまった」という彼の言葉は熱を帯び、「アメリカという同盟国はデンマークのチームメイトのはずなのに」と正義を求めていた。
異文化を自発的に理解しようとする人柄だった
地球上でもっとも広く愛されているフットボールの世界には、人間社会全般と同じように、良いリーダーとそうでないリーダーがいる。異なる文化を自発的に理解しようとし、人間を中心に捉えているなでしこジャパンの新監督は、前者だと思う。
ホームでの初陣となった4月6日のコロンビア戦は1-1の引き分けに終わり、日本での初勝利はお預けとなった。それでも「男子も女子も、日本代表の可能性は無限だ」と明言するニールセン監督の今後の仕事ぶりを、楽しみにしたい。
〈第1回からつづく〉


