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「彼らが再び受賞するとは思わない」メッシでもC・ロナウドでもモドリッチでもなく…“バロンドール投票改革”ウラ側を主催編集長が明かす
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田村修一Shuichi Tamura
photograph byAlexander Hassenstein-FIFA/Getty Images
posted2025/02/03 17:29
ロナウド、メッシが候補リストから消えたバロンドールで、ロドリが選ばれたことをFF誌編集長はどう捉えているのか
「理由は単純だ。候補者が30人というのはかなり多く、そこから5人を選んでも、ポイントをまったく得られない選手がたくさん出てくる。5人だと本命となる選手2~3人にポイントが集中し、順番は変わってもみながほぼ同じ選手に投票する。そこから残りのポイントを4~5人で分け合うことになり、結果として1ポイントも獲得できない選手が多く生まれる。ちょっと残念な事態だ。
10人連記にすれば、ほぼすべての選手がポイントを獲得できるから、全体のランキングもより精緻になり、選手も納得がいく。実際、今回ポイントを獲得できなかったのは2人だけで、他の28人はポイントに応じた順位づけがされた」
――ロドリとビニシウス、ジュード・ベリンガムの争いになり、特にロドリとビニシウスは僅差でした。競争はこれまでに増して厳しかったのではないですか?
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「ちょっと奇妙なシーズンで、前半に活躍した選手と後半に活躍した選手がいた。CLで活躍した選手とEUROで活躍した選手。CLでは良かったがコパ・アメリカでは駄目だった選手。本命は誰だと言い難いシーズンだった。それでも候補者は3~4人に絞り込めたが、2年前のベンゼマのように絶対的な本命はいなかった。あのときのベンゼマは素晴らしいシーズンを送り、誰が見ても彼以外には考えられず、誰が選ばれるかというドキドキ感はほとんどなかったが今回は違った。素晴らしいパフォーマンスを発揮した選手は多いが、彼で決まりといえる選手は一人もいなかった」
17歳ヤマルもバロンドール候補だった
――コパトロフィー受賞のラミン・ヤマルはただひとりバロンドールとコパトロフィーの両方にノミネートされました。
「17歳でバロンドールの候補に挙がったのは、EUROでのパフォーマンスが素晴らしかったからだ。他のコパトロフィー候補者は、バロンドール候補に挙げるにはまだ早い」
――17歳というのはちょっと特別ではないですか。
「ちゃんと調べたわけではないが、バロンドールの歴史を通じても最年少かも知れない。EUROの時点でヤマルはまだ16歳だった(註:決勝の前日に17歳の誕生日を迎えた)。19歳でロシアW杯に優勝したキリアン・エムバペと同様に早熟であるのは間違いない」
――今回は新たな賞も創設しました。

