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酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
坂本勇人2500安打、近藤健介の通算打率だけでなく…「平成生まれ初2000安打候補は?」「大阪桐蔭・履正社OBが本塁打上位独占」打者の大記録予報
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byHideki Sugiyama
posted2025/01/25 11:02
坂本勇人と近藤健介。それぞれ安打数、通算打率で特筆すべき成績を残す2人の今季はどうなるか
MLBレッズで秋山は2年で打率.224、0本塁打に終わった。しかし広島では打ってはリードオフマン、守っては中堅守備と主力として活躍し、昨年は158安打。あと277安打は不可能な数字ではない。秋山の同僚の菊池は、あと300本。矢野雅哉と組む新二遊間コンビはファインプレーを連発しているが、どこまで安打を積み上げるか。
21世紀最強打者の一人、柳田は昨年、大けがをしてシーズンの大半を棒に振った。しかし復帰後はパワフルな打撃を見せた。あと405本は不可能な数字ではないだろう。
それにしても、最近の安打数10傑のうち5人が「現・元西武」なのが特筆すべき点か。2012年には中島(2位.311)、秋山(6位.293)、栗山(8位.289)、浅村(24位.245)、中村(29位.231)と5人全員が規定打席に到達していた。「去る者は追わず」の西武の育成力をいまさらながら思い知る。
柳田は生涯打率.312、では近藤健介は?
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4000打数以上でランキングする通算打率では今季、新顔が登場した。
〈NPB通算打率15傑〉※は現役
1 リー 率.320(4934打1579安)
2 若松勉 率.31918(6808打2173安)
3 張本勲 率.31915(9666打3085安)
4 ブーマー 率.317(4451打1413安)
5 川上哲治 率.3134(7500打2351安)
6 青木宣親 率.3132(6244打1956安)
7 柳田悠岐 率.312(5114打1595安)※
8 与那嶺要 率.3110(4298打1337安)
9 落合博満 率.3108(7627打2371安)
10 小笠原道大 率.310(6828打2120安)
11 レオン 率.308(4667打1436安)
12 近藤健介 率.3072(4238打1302安)※
13 中西太 率.3066(4116打1262安)
14 長嶋茂雄 率.305(8094打2471安)
15 篠塚和典 率.304(5572打1696安)
2018年、MLBからヤクルトに復帰した青木宣親は4000打数に達し、一時期は打率.329でリーを抜いてトップに立った。青木は2020年まで首位をキープしたが以後、順位を落として2024年、率.313で6位となって引退した。2024年のセ・リーグの平均打率は.245、パは.241、3割打者は両リーグ合わせて3人。この低打率の時代、生涯打率を上げていくのは至難の業だ。7位のソフトバンク柳田は2021年を最後に3割を打っていないことが、それを象徴する。
そんな中で、12位に同じくソフトバンクの近藤健介が、4000打数に達して初めて顔を出した。打率は.3072。昨季の近藤は打率.314で初の首位打者。規定打席に到達した7シーズンのうち、6回で3割をクリア。また2017年には規定打席未達ながら.413を記録している。当代一のアベレージヒッターなのは間違いない。32歳になる今年から2~3年が円熟期、全盛期だろう。ここからどこまで打率を上げることができるか、今季は連続首位打者に期待したい。
現役本塁打トップ5…3人が大阪桐蔭、1人が履正社
続いて本塁打について見ていこう。現役選手の通算本塁打数10傑を、ここ3シーズンの本塁打数とともに列記する。