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田中将大あと3勝、平野佳寿あと1セーブだけでなく…名球会条件「200勝か250S」狙えそうなのは誰?「じつはダントツ412ホールド」鉄腕も

posted2025/01/25 11:01

 
田中将大あと3勝、平野佳寿あと1セーブだけでなく…名球会条件「200勝か250S」狙えそうなのは誰?「じつはダントツ412ホールド」鉄腕も<Number Web> photograph by JIJI PRESS,Nanae Suzuki

田中将大と平野佳寿は名球会条件達成まであとわずか。他の候補者は?

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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JIJI PRESS,Nanae Suzuki

2月1日のキャンプインが着々と近づく中、2025年のプロ野球で期待できる大記録達成は? 記録に詳しい記者が投打にわたってリサーチした。〈全2回の投手編〉

 2025年はプロ野球のペナントレースが始まって89年になる。今季も、新たな記録が積みあがっていくが――今シーズンに期待される「記録」について、投打に分けて、見ていこう。まずは投手から。

石川45歳が186勝…NPB200勝を狙えそうなのは?

 昭和の時代はシーズンに30~40勝を挙げる投手がいた。彼らは先発完投した翌日に救援登板することも珍しくなかった。そんな中で金田正一の400勝をはじめとする大記録が生まれた。しかし、今はローテーションが厳格に守られ、完投することさえレアケースになっている。

〈現役投手のNPB通算勝利数ランキングと過去3年の勝利数〉※以下、年齢は2025年4月1日現在のもの。BAL=オリオールズ
1石川雅規(ヤ)45歳
186勝189敗、6勝2勝1勝
2岸孝之(楽)40歳
164勝120敗、8勝9勝6勝
3涌井秀章(中)38歳
162勝161敗、4勝5勝3勝
4菅野智之(BAL)35歳
136勝74敗、10勝4勝15勝
5西勇輝(神)34歳
124勝108敗、9勝8勝6勝
6田中将大(巨)36歳
119勝68敗、9勝7勝0勝
7則本昂大(楽)34歳
117勝95敗、10勝8勝3勝
8小川泰弘(ヤ)34歳
104勝86敗、8勝10勝2勝
9大瀬良大地(広)33歳
87勝70敗、8勝6勝6勝
10大野雄大(中)36歳
86勝93敗、8勝0勝2勝

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 45歳のヤクルト石川はあと14勝で大台の200勝だが、ここ3年で9勝。しかも昨年の投球回は37.1回にとどまった。石川の場合、敗戦数が勝利数よりも3つ多いことでもわかるように、打線の援護が少ない時期が長かった。巨人やソフトバンクのように強力打線の援護があるチームに在籍していたら、すでに200勝をクリアしていたかもしれない。

 40歳の楽天・岸は3年ぶりの規定投球回数をクリア。あと36勝だが今年の成績次第では「ひょっとすると」という感じになってきた。3位は中日・涌井。西武、ロッテ、楽天で最多勝を獲ったが中日ではシーズン通して投げられていない。今季からオリオールズで投げる菅野については日米通算の項で述べよう。

 5位・西と9位・大瀬良の最後の2けた勝利はそれぞれ2020年、2021年まで遡る。6位は今季から巨人の田中。MLBから復帰した2021年から3年で450イニング以上投げた。援護点が少なく勝ち星は上がらなかったが、強力打線の巨人で「あと3」に迫った日米通算200勝を達成する可能性は大きい。

 7位の則本は松井裕樹のパドレス移籍に伴い、エースからクローザーに配置転換。見事最多セーブを勝ち取ったが、救援になったことで勝ち星は伸び悩む。8位の小川は、ヒッターズパークの神宮球場で勝ち星を稼いできたが、昨季は2勝どまり。10位の大野は故障からの回復途上だ。こうしてみると「NPBで200勝」の可能性を残すのは、涌井くらいまでだろうか。

日米だとダル203勝…マエケンや菊池は?

 前述したように、菅野が今季からMLBに戦いの場を移す。現役投手の日米通算勝利数と、直近3年間の勝利数を見ていこう。

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