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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「“大補強”はライデルだけだろ!」中畑清が巨人補強に喝を入れるわけは…「甲斐拓也は攻撃力がなあ」「生え抜き若手の台頭が急務じゃないの?」
posted2024/12/26 11:47
text by
中島大輔Daisuke Nakajima
photograph by
Keiji Ishikawa(L)/Hideki Sugiyama(R)
4年ぶりの優勝を果たした2024年シーズンオフ、巨人は移籍市場で積極的な動きを見せた。国内FA権を行使した捕手、甲斐拓也をソフトバンクから獲得。さらにソフトバンクやDeNA、今季まで所属した中日との争奪戦となった右腕投手、ライデル・マルティネスと4年総額50億円超で入団合意したのだ。
総額60億円を超える「大補強」――。
そんなに「大補強」とは思ってない
メディアやネットでは「球界の盟主」の久々の積極補強と話題になっているが、異なる見解を示すのが巨人のOB会長を務める中畑清氏だ。
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「俺は、そんなに『大補強』とは思ってないけどな。『大補強』はマルティネスだけだと思うけどな。マルティネスは、最高の戦力を勝ち取ったよな。これはどこのチームでも欲しいというピッチャーだけにね。しっかり計算できるピッチャーだから『補強』って言えるけど、甲斐に関してはどうかなと思うけどね」
育成出身で侍ジャパンまで上り詰めた甲斐は球界を代表する捕手である一方、巨人にも岸田行倫、大城卓三など一定レベル以上のキャッチャーがいる。それが中畑氏の見方だ。
岸田のほうが打てる?
「ジャイアンツにもレギュラーになれるような、今年頑張った選手もいるわけだから。そういう選手たちのチャンスっていう点でいくと、奪った形にならないかなって考えることもある。(甲斐が)完璧に打てるキャッチャーで、戦力として期待大って言うんであればいいけども。守りに関してはレギュラーとして任せ切れると思うけど。攻撃力を考えたらプラスじゃなく、マイナスだろう。岸田のほうが打てるだろ」
2024年、岸田は88試合で打率.242。一方、甲斐は119試合で打率.256だった。実働6年の岸田は通算打率.243に対し、同11年の甲斐は同.223。リーグや打席数が異なるので単純比較はできないが、確かにどちらかが傑出しているというわけではない。中畑氏が続ける。