- #1
- #2
プロ野球PRESSBACK NUMBER
「“大補強”はライデルだけだろ!」中畑清が巨人補強に喝を入れるわけは…「甲斐拓也は攻撃力がなあ」「生え抜き若手の台頭が急務じゃないの?」
text by
中島大輔Daisuke Nakajima
photograph byKeiji Ishikawa(L)/Hideki Sugiyama(R)
posted2024/12/26 11:47
ライデル・マルティネス獲得こそ高評価するが、巨人の補強・チーム状況にはどうしても求めるハードルが高くなる中畑氏
「岸田も別に肩が弱いっていうわけじゃないから。年齢的に言っても、これから脂が乗り切っていく感じの選手だけにね(※岸田は28歳、甲斐は32歳)。そういうことを考えたら、クエスチョンマークはつくわな。候補がいないなら別だけど、今年も実績を残して、ある程度レギュラーとってくれるんじゃないかなという選手がいるだけに、わざわざそのチャンスを逃してしまうのはもったいないなっていう気はするよね」
甲斐の加入はプラスになるか?
甲斐の加入が、果たしてチーム全体のプラスになるのか。中畑氏は監督目線で「難しい」と語る。
「だってレギュラーキャッチャーをカネを使って獲ったわけだから、そのキャッチャーは代えられないじゃん。大城あたりは自分のチャンスを考えるのであれば、おそらく違うポジションをやるしかないんじゃないかと思うんだよね。だって山瀬(慎之助)とか、若い連中で伸びしろのあるキャッチャーが控えているわけだから。(大城は)コンバートを考えてやる1年になるんじゃないかと思うけどな」
若い打者の育成が急務
ADVERTISEMENT
リーグ連覇と13年ぶりの日本一を目指す上で、2022年、2024年最多セーブのマルティネスの加入は極めて大きい。8回から大勢&マルティネスとつなぐ勝利の方程式は対戦相手の脅威だ。
一方、2024年最多勝の菅野智之がメジャー移籍で抜けたこと以上に、中畑氏が心配するのは打線だ。
「左の外国人(トレイ・キャベッジ)を獲ったけど、つまり若手はチャンスを剥奪されるわけよ。その意味でチームの勢いはどうなのかなっていう気がするけどね。若い選手をやっぱり育てないといけない。生え抜きの台頭は急務だと思うけどね、このチームは」
2022年ドラフト1位の浅野翔吾やショートの門脇誠は経験を重ねてきているとはいえ、レギュラー定着に至っているわけではない。
さらに、和製大砲として期待される秋広優人は2023年に121試合で打率.273、10本塁打を記録したが、2024年は26試合で打率.261、本塁打ゼロに終わった。