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「中日ドラ1投手、パ・リーグ球団“指名ゼロ”は予想外だった」「彼は腰のケガがあるからね…」NHK解説者が本音で語る、ドラフト評価《セ・リーグ編》
text by
沼澤典史Norifumi Numazawa
photograph byJIJI PRESS
posted2024/11/14 17:03
中日・井上一樹監督から1位指名のあいさつを受ける金丸夢斗(関西大)。中日、巨人、阪神、横浜のセ・リーグ4球団が金丸を1位指名した
「バッティングがいいけど、そのぶんチームとしては粗い。クライマックスシリーズや日本シリーズは投手陣も頑張ったけど、投打が噛み合えばもっと勝てる。戦力的にはずっと優勝できるくらいのチームなんですよ。なので、今回の日本一を機に、チームで勝ち癖をつけてもらって、来季こそはリーグ優勝を見たいね」
「カープは失速を反省しないと…」
今季4位の広島は、アマチュアナンバーワンショートの宗山塁(明治大)を外して、1位で佐々木泰(青山学院大)を獲得した。
「佐々木は右の長距離バッターとしていい選手です。青学野球部は少数精鋭で(今季は選手35名)、いい選手を選んでいる。青学OBはプロに来ても結構活躍する傾向がありますから、期待できると思いますよ」
ちなみに、2023年に同じく広島に青学からドラフト1位指名された常廣羽也斗は、今季見事初勝利を挙げ、11月5日に行われた侍ジャパンと広島との練習試合でも2回無失点と徐々に頭角をあらわしている。
「カープは、夏以降の失速をかなり反省しないといけないね。抑えの栗林良吏が、9回に6点取られた9月11日の巨人戦が、ターニングポイントだった。若い選手が育っているのでチーム自体はいいから、実力と勢いはあると思うよ」
「ヤクルトは1位かビリみたいなチームだから…」
2021年から2年連続優勝を果たすも、直近2年は5位に甘んじているヤクルトは、大学きっての右腕、中村優斗(愛知工大)を一本釣りした。
「中村はボールが速いし、コントロールも兼ね備えている。ただ、先発じゃなくてリリーフが向いていると思う。ヤクルトはクローザーが固定されていないから、来季からクローザーで使えれば最高だろうね。スピードよりもボールの質を磨けば、出られると思う。あとはプロのストライクゾーンに対応できるか。プロはアマチュアよりもゾーンがボール1個くらい狭くなるので、そこのコントロールができれば、クローザーで数字を残せそうです」
また、武田氏は低迷中のヤクルトの来季をこう見立てる。
「ヤクルトはいいときはいいけど悪いときはすごくダメ。1位かビリみたいなチームだから、予想しづらいよね。ただ、中村が加わって投手陣が安定して、村上宗隆を中心に打てれば、普通に勝てそうです。ヤクルトはみんなが『来季はダメそうだな』と油断しているときに限って優勝するんですよ」
今季はDeNAが下剋上を果たしたように、絶対的な王者がいなかったセ・リーグ。来季はどんな混戦になるのだろうか。
<パ・リーグ編に続く>