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「魅力が薄い」「体質がぬるい」「野手が伸びない」OBも嘆き節…西武はなぜここまで弱くなったのか? 西口文也新監督に託された再建への課題とは
text by
中島大輔Daisuke Nakajima
photograph byJIJI PRESS
posted2024/10/16 17:48
現役時代は通算182勝を挙げた大エース。22年からは二軍監督を務めていた西口文也新監督に再建が託された
現役時代、FA権を行使して巨人に移籍した豊田コーチは古巣に復帰し、選手間の好循環こそ投手力アップの背景にあると感じている。
「今までは我々を含め、抜けていくばかりでした。(伝統を)伝え切れないまま終わって、成績的にパーンと弾けたのが6年前くらいだと思う。今は若い段階で一本立ちしているピッチャーがいっぱいいるので、そういう姿をもっと若い子たちが見て学んでくれればと思います」
野手を引っ張る存在の育成を
投手陣では今季引退した増田達至や、FAの人的補償で来た内海哲也(現巨人投手コーチ)など、お手本になる選手がいた。
対して野手陣の源田壮亮、外崎修汰は背中で見せるタイプで、いわゆるリーダータイプではない。平石コーチは今季後半に4番を任された佐藤龍世にチームを引っ張るように伝えたが、果たして来季は誰が先頭に立つだろうか。
「付け焼刃的な強さではなく、チームとしての地力をしっかりと積み上げて、常勝軍団をつくっていく」
西口監督の就任会見で球団再建のビジョンを問うと、飯田本部長はそう答えた。では、来年は優勝を求めるのか。
「当然優勝は目指してやっていきますけども、優勝がマストということではなく、しっかりとしたチームの強さには積み上げが必要だと思います。いかに成長していけるかを主眼に置いていきたいと思っています」
球団再建には時間がかかるだろう。それくらい現有戦力が乏しいなか、一定の時間をかけて野手が育つ土壌を整えられるか。育成に活路を見出すしかない西武にとって、そこが球団再建の最大のポイントだ。