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「これだけ負けるのは人生初めて」西武・渡辺久信監督代行が苦悩を激白…100敗ペースの歴史的大敗シーズンも「どうにもならない状態は脱した」

posted2024/08/04 17:00

 
「これだけ負けるのは人生初めて」西武・渡辺久信監督代行が苦悩を激白…100敗ペースの歴史的大敗シーズンも「どうにもならない状態は脱した」<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

現役時代はNPB通算125勝、最多勝3回。監督としても6年間でAクラス5回、リーグ優勝&日本一1回を誇る

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中島大輔

中島大輔Daisuke Nakajima

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Shigeki Yamamoto

歴史的低迷に苦しむ名門ライオンズ。松井稼頭央監督から渡辺久信監督代行に交代後も、100敗ペースに近い戦いが続いている。後半戦に浮上の目算はあるのか。常に勝者だった渡辺監督代行が苦悩を激白する単独インタビュー。<全2回の前編/後編へ>

 パ・リーグで最多優勝回数を誇る西武は今季、7月29日時点で28勝60敗2分、勝率.318と歴史的な低迷にあえいでいる(※今季の成績は同日時点、以下同)。

 5位オリックスと12ゲーム差、クライマックスシリーズ(CS)出場権内の3位日本ハムとは18ゲーム差。常識的に考えれば、最下位脱出も厳しい状況だ。

 だが数字上の可能性がゼロにならない限り、プロ球団の責務は勝利を目指すことである。

「当然目指しますよ。もうあきらめるっていうところではないんで。ただ、現実的にすごく厳しい数字であることは確かです」

「俺の現役時代は1回もBクラスないんだから」

 オールスターブレイク中、本拠地ベルーナドームでの練習日に取材に応じた渡辺久信GM兼監督代行は胸の内を明かした。

「Bクラスは俺も嫌だし。監督をやって1回しかないし、現役時代は15年間で1回もない。まずは最下位を抜けるところだけど、やっぱりAクラスを目指していく。ただ、すごく現実的な数字ではないこともわかってるし」

 そう言うと、後半戦を前に選手たちに伝えた話を明かした。

「選手のモチベーションというか、『頑張って今シーズン、やり切った』ぐらいに思ってシーズンを終わらせたい。そう考えたとき、何のために勝つのか。何のために我々は野球を頑張るのか。いろいろあるけど、一番は自分のため。そして家族、支えてくれる関係者、あとはファンのため。漠然と勝ち負けの野球をやるのではなくて、一人の選手がいれば何十人、何百人っていう関係者がいるわけだし。こんな状況でもすごく応援してくれるファンだって何千人、何万人っているわけだから、そういう人たちのためにも適当にやっちゃいけないよと話している」 

 交流戦前までの45試合を終えて15勝30敗、勝率.333。5月26日、低迷する西武は松井稼頭央監督の休養を発表した。後を継いだのが、2019年からGMを務める渡辺監督代行だった。

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