2186試合8094打数2471安打444本塁打1522打点、打率.305

　入団時にそびえていたプロ野球の先輩が築いた数字のうち、打率を除くすべての数字を塗り替えたのだ。これを「記録男」と言わずして、なんと言おうか。

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　ちなみに1957年末時点で、藤村富美男は引退して阪神の監督を務めていたが。このオフに解任され、1958年は一選手に戻った。長嶋茂雄は小さいころから「ミスタータイガース」藤村にあこがれていたが、この現役復帰によって共演が実現している。

新人にして「三冠王とトリプルスリー」もありえた

　今回調べて分かったのだが――ここで紹介した顔ぶれのうち、川上哲治、西沢道夫、小鶴誠、大下弘、そして藤村富美男は、1958年限りで引退している。そういう認識があったかどうかはわからないが、1958年デビューの長嶋茂雄の活躍を見届けて引退した形になった。

　まさに1958年は、プロ野球史の転換点だったと言えよう。そんな中で長嶋は、巨人入団1年目からいきなり傑出した記録を残す。「新人にして三冠王かつトリプルスリー」まであと一歩に迫っていたのだ。＜つづく＞