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広島カープが月間20敗で“歴史的大失速”「分岐点は守護神・栗林良吏の大炎上ではなく…」レジェンドOBが解説する「それ以前からあった問題」
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph byJIJI PRESS
posted2024/10/08 11:02
大混戦のセ・リーグで歴史的失速を喫したカープ。来季は新井監督の笑顔が見たい
実は逸材揃いの若手野手
一方の野手は、若手の底上げが急務だ。
「今のカープには将来的にチームの中心を担えるような素材、能力を持った若手が沢山います。最終戦でヒットを打ったルーキーの仲田(侑仁)や内田(湘大)は本当に能力が高いし、田村(俊介)や二俣(翔一)、中村貴浩など、将来が楽しみな選手は多い。彼らがハードなトレーニングの中で、どれだけ力をつけていくか。そこで殻を破れる選手が出てくれば、世代交代は自然に進んでいくはずです」
秋季練習、秋季キャンプからカープ伝統の厳しい練習が始まる。かつてカープの看板打者だった小早川氏は、ただただスイングを重ねるだけではなく「もう一段階上がるための鍛錬」が必要だと話す。
もう一つレベルを上げて…
「強いスイングをする、というのは一つ前のレベル。カープの伝統的な育成で、彼らは皆、それは身につけています。ここからはもう一つレベルを上げて、ボールを捉えるということを意識して欲しいと思います。例えばサッカーでも“シュートを打て”とよく言うけれど、100本シュートを打っても枠に入らなければ何も起きないでしょう。
バッターも同じでいくらスイングしてもボールを捉える力がなければ意味がない。今のカープは、チームの基本はしっかりできているし方向性は間違っていないと思います。骨格はしっかりしていると思いますから、あとはしっかりと肉をつけていくこと。今シーズンの悔しさをバネにして、チームがさらに強く逞しくなっていくことを期待しています」