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米国人番記者がいま明かす「オオタニにベテラン勢から不満の声もあった」半年間でベッツもカーショーも大谷翔平を尊敬「水原一平事件で“壁”が消えた」
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byAFLO
posted2024/10/06 17:01
「ショウヘイはジョークも言うし、笑わせてくれるんだよ」ドジャースの捕手バーンズ(34歳)はこう証言する
「彼が7億ドル(※当時約1015億円)もらう価値があるのは、この活躍を見れば明らかだ。彼がチームを引っ張る存在なわけだから、われわれがサポートするのも当然のことだ」
そして大谷が「50―50」をマイアミで達成した後、ロサンゼルスに戻っての最初の試合で、ダグアウトで最初にスタンディング・オベーションをしたのは、大エース、クレイトン・カーショーだったとハリス記者は書き、カーショーの大谷評を紹介する。
「彼は心底、優勝したいと思っているし、ポストシーズンでプレーすることにワクワクしているのが伝わってくる。間違いなく、ドジャースは彼からエネルギーをもらっているんだ」
ベッツ、カーショーというチームの重鎮から尊敬を勝ち得たのは、非常に大きいことだ。それもこれも、すべてはメジャーリーグの歴史に残る「50―50」を達成し、大谷がバットでドジャースを勝利に導いているからに他ならない。
“不満の声”が変わった
ハリス記者は、開幕当初は必ずしも歓迎ムードばかりではなかったと振り返る。開幕戦ではクラブハウスに昨季以上の報道陣が集まり、選手たちの試合前のルーティーンに支障をきたしかねない状態となり、ベテラン勢からは不満の声が上がっていたという。しかし、半年が経過し、すべては変わった。キケ・ヘルナンデスは言う。
「思うに、シーズンが進むにつれて、彼の人となりを十分に知ることが出来たと思う。自分は翔平が翔平らしく振舞っているのを見られてうれしく思うし、チームメイトとしていい時間を過ごせたんじゃないかな」
そしてドジャースの面々は、スーパースターの意外な一面を知っている。リリーバーのアレックス・ベシアは、移動中の機内で大谷の近くに座ることが多いが、ベシアは当然のことながら寝姿を目撃している。
「体が通路に飛び出しながら寝てるんだよ。まったくもって、あれは普通の人間の姿ですよ」
さすがは地元紙、「ヘビースリーパー」の姿まで書くのだった。