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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
“代走のスペシャリスト”巨人・鈴木尚広コーチが見抜いた“大谷翔平56盗塁の秘密”…「おそらくイチローさんに近い感覚の、クレバーな走者」
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph byNanae Suzuki
posted2024/09/26 17:02
今季の大谷はなぜこれほど走れるのか。現役時代は盗塁の達人だった、巨人・鈴木尚広コーチにその極意を訊いた
今シーズン、大谷の盗塁成功率は、55盗塁を成功させた9月22日(日本時間23日)のロッキーズ戦終了時点で93%に到達している。盗塁が増えた理由について、23年シーズンからMLBで導入されたピッチクロックや、投手の牽制回数の制限を背景に挙げる向きもあるが、その23年シーズンの大谷盗塁成功率は76.9%だったことを踏まえれば、今シーズンの驚異的な数字の陰に盗塁技術の進化があるのは間違いない。
イチローさんに近い感覚
「多分、イチローさんに近い感覚だと思うんです。必ず成功できるという機会を窺って、そのチャンスを確実に仕留めている。無理なところは攻めない、攻めすぎない。1つのアウトというのは、野球の流れを大きく変えてしまうケースがありますから、盗塁に挑むにはまず成功するという確信がなければいけません。
だからこそ相手を研究して観察して、自分の中にインプットしていく。大谷選手に関してはグリーンライトでしょうから、彼はセーフになるか、アウトになるか、という判断をして、自分自身で成功率を上げている。さらにここで1点欲しい場面や、得点のチャンスを大きく広げるような場面では確実に決められる。この水準値は非常に高いと感じます」
日本野球と比較してよく言われるのが、外国人投手のモーションが大きく、走者にとって走りやすいということだ。加えて牽制ルールによりしつこく牽制ができない状況もある。鈴木コーチはこの影響について「その要素はある」とした上で、こう続けた。