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大谷翔平「51-51」「6安打3本塁打10打点2盗塁」だけでない衝撃の1日…松井秀喜超えにドジャース新記録、“実は惜しかった”2度目の快挙って? 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2024/09/20 18:40

大谷翔平「51-51」「6安打3本塁打10打点2盗塁」だけでない衝撃の1日…松井秀喜超えにドジャース新記録、“実は惜しかった”2度目の快挙って?<Number Web> photograph by AP/AFLO

「51-51」達成の大谷翔平。1試合を通じて叩き出した驚愕の成績は、様々な大記録を成し遂げた夜ともなった

 これまで9月の打撃成績は通算で打率.270、OPSは.848とそれほど良くなかった大谷だが、今季は9月の月間打率が3割台に乗り、本塁打も最多タイの7本塁打となった。

 大谷が延長戦を含めて6打席以上立ったのは過去に9回あったが、今年4月24日のナショナルズ戦で3安打したのが最多。また大谷は過去に1試合5安打以上打ったことはなく、4安打が7回あったが、6安打はこれも大きく上回った

 本塁打も1試合2本塁打は18回記録しているが、3本は初で、当然ながら3打席連続もしかりである。打点は2022年6月21日のロイヤルズ戦の8打点が最多だったが、これも10打点に更新した。

 そもそも1試合10打点以上は1924年カージナルスのジム・ボトムリーと1993年、同じくカージナルスのマーク・ウィッテンが12打点したのを筆頭に過去15人しか記録していない。大谷で16人目という大記録だ。

 また1試合6安打3本塁打10打点は、2017年4月30日、昨年までエンゼルスで大谷の同僚だった当時ナショナルズのアンソニー・レンドーンが記録しているが、それ以来の記録である。

 なお、前述の3打席目で三塁に向かった走塁がセーフになって三塁打となっていたら、今回の記録に2019年6月13日以来、自身二度目となる「サイクル安打」がさらにオンされていたことになる。唯一惜しまれる気もするが、それはぜいたくというものだろう。

ベッツ、トラウトを抑えてWBC奪還を果たした場で

 思い返せば1年半前に、大谷は侍ジャパンのメンバーとして、このローンデポパークで、第5回WBCの決勝戦のマウンドに立ち、現同僚のムーキー・ベッツを併殺打、そして当時同僚のマイク・トラウトを三振に切って取って3回目の世界一に輝いている。

 そうなのだ、その時、大谷は投手だったのだ!

 とはいえこの日のマーリンズ戦、野球の神様が大谷に力を授けていたとしても、いくら何でもできすぎでしょう、というしかない。

 51-51を達成した大谷翔平は、次は何を目標に野球をするのだろうか――となれば、やはりワールドシリーズ制覇になるだろう。

 この日の勝利で、ドジャースはポストシーズン進出が決まった。大谷にとっては初めてのステージが待っている。〈大谷翔平50-50特集:つづく〉

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