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「悪くないんだけどね…」J1町田ゼルビアなぜ失速? ロングスロー、水かけ論争だけじゃない今注目すべき黒田マネジメントの真価 

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篠幸彦

篠幸彦Yukihiko Shino

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photograph byJ.LEAGUE

posted2024/09/13 17:02

「悪くないんだけどね…」J1町田ゼルビアなぜ失速? ロングスロー、水かけ論争だけじゃない今注目すべき黒田マネジメントの真価<Number Web> photograph by J.LEAGUE

J1リーグ2位で残り9節を迎えるFC町田ゼルビア。日本代表の中山雄太(中央)らを補強し、“J1初挑戦で初優勝”を狙う

 思えば町田は昨季も同じ時期に失速し、苦しんでいた。しかし、そこを抜け出し、最後は5連勝でJ2優勝まで駆け抜けた。

 黒田監督は首位や優勝ということを一旦忘れ、町田のサッカーを取り戻そうと、選手やコーチ含めた全員に強く訴えかけている。その上で「きっかけになる試合がほしい」という。

 たしかに町田への対策が進み、やりづらくなっている部分は多分にある。相手のレベルも格段に上がっている。昨季を知る選手も多くが去った。それでも、もう一度勝っていた頃の感覚を取り戻せるきっかけとなる試合ができれば、このトンネルを抜け出した経験が町田にはある。

 9月8日に行われたルヴァンカップ準々決勝、新潟戦の2ndレグ。町田は2-0で勝利したが、トータル2-5で敗退した。それでも黒田体制では苦手としていた新潟に初めて勝ち、“町田らしさ”を取り戻していた。欲していたきっかけになりうる試合である。

「みんなが連動し、我々の意図するサッカーができた。2つのタイトルを失ってしまったが、最後の9試合のために失ったと言い聞かせてやっていきたい」

いよいよJ1優勝争いのクライマックス

 残り9節――町田は第32節に広島との直接対決を残し、最終節は4位の鹿島アントラーズ戦だ。下位とはいえ、ここに来て急激に調子を上げている北海道コンサドーレ札幌や京都サンガF.C.もまったく侮れない。

 一方、広島も次節から鹿島、横浜FM、町田とタフな3連戦があり、最終節はガンバ大阪戦を残す。また、9月からAFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)2のグループステージも始まり、さらに天皇杯もある。日程面では町田が有利とする声もある。

 もちろん、優勝争いはこの2クラブだけではない。どんなドラマだってあり得る“残り9節”の過酷なタイトルレース、どこが離脱し、どこが抜け出すのか。本命不在で混迷を極めるJ1のクライマックスから目が離せない。

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