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「(鎌田)大地くんが蹴っていいよ、と」“人のPKは奪わない”ストライカー・上田綺世が体現するものとは…「爆勝」バーレーン戦現地で本人直撃
text by
佐藤景Kei Sato
photograph byJIJI PRESS
posted2024/09/12 17:41
バーレーン戦後半開始早々、2点目を決めて祝福される上田
フェイエノールトでもやっている形だった
「あの形は結構、自分のチーム(フェイエノールト)でやっていて、センターバックを背負って当ててもらって入ってくる、そこでターンするか落とすかというのはやっていたし、前半からパスコースが開いているというのは伝えていました。イメージ通りお互いできたのかなと思います」
上田が他者を生かして生み出したゴールは、相手の心を折る一撃になった。帰宅するファン・サポーターの数がさらに増えて、スタンドからは完全アウェーの雰囲気が消えた。
65分に小川航基と代わってベンチに退いたが、今回の2連戦は上田自身の力を存分に示したと言える。
「もちろん去年1年間もそうだし、今、自分のチームでは難しい状況ですけど、そこでの積み重ねとか成長は、すごくこの代表で実感できているし、それは結果にも出ていると思う。自分のチームで今はなかなか出場機会を勝ち取れていないですけど、でもやっていることは間違っていないと、自分で実感できる場(=代表)があるんで、今後も前向きに出場時間を勝ち取るとともに、自分に必要だと思うことに取り組んでいきたいと思います」
今の代表は、誰が出てもチームの武器になれる
フェイエノールトでの日々の研鑽が代表でのプレー向上につながり、そして代表での積み重ねは、チームにおける上田の存在感をますます高めている。
「僕自身のこともわかってもらえているし、逆もまたそうで、いろんな環境でやっている選手の特徴、どういうプレーをしたいのかも話し合うことでわかってきました。信頼されている感覚も多少あるし、でも代表にはいい選手がいっぱいいるし、誰が出ても、みんなそのチームで武器になるような選手なんで、そこはうまく組み合わせていけたらいいと思う。一つの繋ぎ目なのか、フィニッシャーなのか、いろんなオプションがあると思うので、自分もその中でうまくチームにフィットできたらいいと思っています」
“周囲とつながり自らも生きる”のが、森保一監督が選手に求めているコンセプト。最終予選のスタートとなる重要な2試合に先発した上田綺世は、まさにその体現者だった。