甲子園の風BACK NUMBER
甲子園決勝から中4日で「超異例の登板」のナゼ…高校代表で京都国際・中崎琉生が見せたタフさ 甲子園→代表合宿直行も「すごく楽しいです」
text by
沢井史Fumi Sawai
photograph byHideki Sugiyama
posted2024/08/30 17:11
甲子園で初優勝を果たした京都国際のエース・中崎琉生。異例の「中4日」登板にはどんな理由があったのだろうか?
ただ、27日の練習試合もそうだったが、球の走りやマウンド上、それ以外の所作を見ても疲労をひきずっている様子はまったく感じなかった。むしろ、投げ終わった後のベンチでの表情を見ても他のチームメイトと一緒に過ごす時間を楽しんでいるように見えた。
「レベルの高い選手たちと一緒に過ごしていて、刺激をもらっています。毎日、すごく楽しいです」
光った中崎の「タフさ」
夏の甲子園では4試合に登板し、31イニングを投げて33奪三振、失点は5。防御率は1.45。与四死球はわずか7個と安定感も光った。何よりテンポ良くストライクを投げ込み、守備に良いリズムももたらす。小牧監督は「初戦は結構打たれ(札幌日大戦は被安打12)ましたが、決勝戦の内容が一番良かった」と言うほど、タフさがこの夏は光った。
試合後、小倉監督はこの日5番手で登板し2回を無安打に抑えた最速151キロ右腕・今朝丸裕喜(報徳学園)と共に「2人を先発で起用できると思う」と、9月2日から開幕するアジア大会での先発起用を示唆した。
アジア大会のオープニングラウンドでは日本はBグループに属し、香港、スリランカ、フィリピンと戦う。オープニングラウンドを突破すればアジアのライバルとされるAグループの台湾、韓国と対戦する可能性が高い。
近年、アジア圏内で常に上位進出している台湾は今年も速球投手を擁し、韓国もプロ予備軍の呼び声が高いほど毎年選手層が厚い。ライバルとの一戦へ、どういったローテーションが組まれるのかも見ものだ。
ちなみに中崎は今朝丸と中学時代にチームメイトだった(関メディベースボール学院)。旧友とともに左右のエースとして挑むアジア大会で、タフネス左腕が甲子園の“続き”を見せることができるのか。初の栄冠からアジア制覇へ、左腕はさらに腕を振る。