甲子園の風BACK NUMBER
「勘違いしました」39歳でセンバツ制覇→山梨学院赴任も3年間“甲子園不出場”→13年間で14回のヒケツは「暗い雰囲気では、面白くないだろ」
posted2026/03/17 17:53
山梨学院の吉田健人部長(左)と吉田洸二監督。親子関係のチームにあって、どのようなチーム運営をしているのだろうか
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間淳Jun Aida
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JIJI PRESS
就任13年で“甲子園14回出場”の常連校に
山梨学院は今春のセンバツで、優勝候補に名前が挙げられている。ところが、周囲の評価とは対照的にチームを指揮する吉田洸二監督は控えめだ。
「今のチームは投手以外、昨夏から選手が全員入れ替わっています。菰田(陽生投手)がいることでスター選手揃いのように言われますが、全くそんなことはありません。私の中では谷間の世代です。今年のセンバツは、プレッシャーなく戦えるかなと思っています」
高校野球は選手が毎年入れ替わる。3年生が主力のチームは特に、新チームになると力が大幅に落ちるケースは少なくない。だからこそ、コンスタントに甲子園に出場するチームをつくり上げる指揮官は「名将」と評される。
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山梨学院を率いる吉田監督も、名将と呼ばれるにふさわしい実績を残してきた。2013年4月に就任後、13年間で春夏合わせて今回が14回目の甲子園出場(中止となった2020年センバツを含む)となる。吉田監督就任前は同校の甲子園出場回数が春夏で計6回だったことを踏まえると、いかに劇的な変化が生まれたのかが分かる。
携帯の「サイレントモード」のようだった
しかも、今の山梨学院は聖地に立つことがゴールではない。2023年のセンバツでは初優勝を飾り、昨夏はベスト4に入った。だが、ここまでの道のりは決して平たんではなかったという。吉田監督が赴任当初を回想する。
「びっくりするほど、チームに活気がありませんでした。一言で表現すると暗い。おとなしいのではなく、暗かったですね」
吉田監督には今でも鮮明に覚えている記憶がある。当時、こんなやり取りが選手とあった。

