甲子園の風BACK NUMBER
甲子園決勝から中4日で「超異例の登板」のナゼ…高校代表で京都国際・中崎琉生が見せたタフさ 甲子園→代表合宿直行も「すごく楽しいです」
text by
沢井史Fumi Sawai
photograph byHideki Sugiyama
posted2024/08/30 17:11
甲子園で初優勝を果たした京都国際のエース・中崎琉生。異例の「中4日」登板にはどんな理由があったのだろうか?
一方の中崎は一死後、四球の走者を出すも初回をゼロに抑える。2回は連打で1点を失ったものの、3回も無失点。自己最速タイの144キロをマークするなど計3回を投げて1失点。疲れはまったく感じさせなかった。
「立ち上がりは意識してゼロに抑えられたのは良かったですが、2回に失点したことは悔しいです。でも、大学生のインコースにビビらずに投げられました」と収穫も手にしたようだ。
甲子園優勝→日本代表へ「直行」
実は中崎は23日の決勝戦を終えた翌日、甲子園初優勝の余韻が冷めないまま、その日から始まったU18日本代表チームの合宿に合流している。宿舎を出る際、チームメイト達がTシャツに短パンのラフな姿で学校へ向け出発するマイクロバスに乗り込んでいく一方、中崎は制服姿でバッグを背負い、母親の運転する車で、大阪市内の集合場所へ向かった。
「一度家に帰っても疲れは同じなので」と本人。小牧憲継監督も「せっかく選んでもらったので、一日でも早く合流した方がいいかなと思ったので」と“即合流”の理由を明かした。
午後から始まった初練習ではさすがにノースロー調整だったが、3日後の関西学生野球連盟選抜チームとの練習試合では1イニングを投げ1四球を与えるも無失点で切り抜けている。
「それまでの2日間はノースローの日をいただいて疲れが抜けたので。その状態でのマウンドだったので、良い感じで投げられました」
もちろん小倉全由監督をはじめとした首脳陣も、中崎の身体の状態を見ながら登板できるかを判断している。チーム付きのトレーナーが体の状態を見た上で、壮行試合の先発に指名したが、小倉監督は中崎のことをこう明かしていた。
「本人がすごく投げたいと言っていて……。もちろん、無理はさせられないですから、そのあたりも気にしながら(の判断)です」