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五輪で乱立の「美人アスリート」報道…実際の選手はどう感じた? 走高跳・高橋渚(24歳)が語る“知ってもらう重要性”「入り口は様々でも…」 

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山崎ダイ

山崎ダイDai Yamazaki

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2024/08/17 06:02

五輪で乱立の「美人アスリート」報道…実際の選手はどう感じた? 走高跳・高橋渚(24歳)が語る“知ってもらう重要性”「入り口は様々でも…」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

走高跳で日本選手権3連覇の高橋渚(センコー)。本人も「美人アスリート」として取り上げられることも多いが、リアルな思いの丈は…?

「もちろん競技結果以外の部分で報じてもらう機会があることで、『調子に乗らないようにしないと……』というのは思います。私の場合はその辺は高校時代の醍醐直幸コーチ(※現コーチの奈緒美さんの夫、男子走高跳の前日本記録保持者)からもすごく厳しく言われました」

 高校時代のインターハイで優勝した直後からすでに「これからは日本チャンピオンという目で周りから見られるんだから、それにふさわしい振る舞いをしないといけない」と言われていたという。

走高跳という競技の人気向上も…

 また、さまざまな形でメディアに報じられることで、競技そのものの人気にも繋がってほしいと第一人者らしい一面ものぞかせる。

「最近は国内の大会だと結構、最後の方で競技者が自分だけになってしまうこともあって。日本選手権でも(※1m84cm以降は単独試技)『私が目標にしているのはまだここじゃない』と何とか自分で自分を奮い立たせていました。もちろん圧倒的な実力があれば単独でも良いのかもしれませんが、まだまだ精神的に甘い部分もあって、他のライバルがいないとどうしても難しい部分もあります」

 そんな中でより多くのファンが高橋の存在を知り、走高跳という種目に興味をもつ人が増えれば、スタンドの観客数はもちろん競技の雰囲気自体も盛り上がる。それだけで、自身にとってもプラスになるはずだと高橋は考えている。

「まずは挑戦の過程を知ってもらって、その上で注目してもらえるからこその結果を出せるのが一番だなと思っています」

 高橋が結果を出しはじめるまでの十数年の間、今以上に女子の走高跳という競技への関心は低かった。そんな冬の時代を知るからこそ、多くの人に競技の魅力を知ってほしいという気持ちは強いのだろう。

 もちろんそのためには、大前提として自身の競技者としての強さも証明する必要がある。その最大のきっかけになり得る地元での東京世界陸上は、もう来年に迫っている。

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「あと3cm」「あと1人」で五輪を“逃した”日本王者が思うこと…走高跳・高橋渚(24歳)が振り返るパリまでの日々「ラッキーで行ける舞台じゃない」

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