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五輪で乱立の「美人アスリート」報道…実際の選手はどう感じた? 走高跳・高橋渚(24歳)が語る“知ってもらう重要性”「入り口は様々でも…」
posted2024/08/17 06:02
text by
山崎ダイDai Yamazaki
photograph by
Kiichi Matsumoto
連日、さまざまな競技のメダル獲得に沸いたパリ五輪。日本中を熱狂の渦に巻き込んだ各選手の頑張りは、多くのファンにとって得難い経験となった。一方で、その夢の舞台に惜しくも立てなかったアスリートたちも数多くいる。女子走高跳の高橋渚選手もそのひとりだ。世界ランキングであと1人のところまで迫ったが、大舞台には届かなかった。現在は来年の東京世界陸上に向けてトレーニングを積む24歳に、五輪関連で目立った“報道スタイル”についても聞いた。《NumberWebインタビュー全3回の3回目/最初から読む》
海外大会では過去最多となる金メダル数を獲得したパリ五輪。
本大会はもちろん、そこに至るまでの各競技での選考大会の様子も含め、メディアでも連日アスリートの頑張りが報じられた。
五輪ロードで目についたある「記事スタイル」
そんな中で目についたのが、競技や選手を目にした際のSNSでの反応やコメントをベースにした「美人アスリート」「イケメンアスリート」といったビジュアル面をトピックにした記事の多さだ。
こういった記事に対しては、それまで選手のことを知らなかった人たちに対してライトなファンの間口が広がるメリットがある一方で、選手である以上「競技結果で見てほしい」という主張を持つアスリートも多い。
陸上競技の女子走高跳で日本選手権3連覇の実績を誇る24歳の高橋渚(センコー)も、今季ここまで同様のテーマで記事に取り上げられるケースが多かった。
今回のパリ五輪では、世界ランキングで「あと1人」のところで大舞台に届かなかった高橋だが、173cmの長身とも相まって、メディアでは記録以上にルックス重視の取り上げ方をされることもあった。走高跳が競技特性上、身長が高く手足が長いいわゆる「モデル体型」の選手が有利な競技ということもあっただろう。
自身が目指していた舞台に立てないことが決まった悔しさの中で、競技とは違った角度から報じられることは、本人としても様々な葛藤があったのではないだろうか。それでも高橋自身は率直に「まずは知ってもらうことが一番大事」だと語る。