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「一人だけムキムキです」173cmの長身でも…“モデル体型”脱却が進化のカギ？ 走高跳・高橋渚（24歳）が語る「最古の日本記録」への挑み方
posted2024/08/17 06:01
20年以上更新されていない女子走高跳の日本記録。現在の第一人者である高橋渚（センコー）は偉大な記録にどう挑んでいくのか
text by
山崎ダイDai Yamazaki
photograph by
(L)Yuki Suenaga、(R)Kiichi Matsumoto
連日、さまざまな競技のメダル獲得に沸いたパリ五輪。日本中を熱狂の渦に巻き込んだ各選手の頑張りは、多くのファンにとって得難い経験となった。一方で、その夢の舞台に惜しくも立てなかったアスリートたちも数多くいる。女子走高跳の高橋渚選手もそのひとりだ。世界ランキングであと1人のところまで迫ったが、大舞台には届かなかった。現在は来年の東京世界陸上に向けてトレーニングを積む24歳は、20年以上凍り付いたままの“最古の日本記録”をどう破っていくのか。本人に聞いた。《NumberWebインタビュー全3回の2回目／つづきを読む》
「この冬は相当、鍛えましたから。走力と筋力はかなり上がっていると思います」
女子走高跳の高橋渚（センコー）を指導する醍醐奈緒美コーチは、そう自信を見せる。
日本選手権で3連覇を果たすなど、日本の女子走高跳界では第一人者と言える高橋。一方で、10年以上世界大会から遠ざかっている同種目で五輪や世界陸上といった大舞台で戦うためには、もう一段階のレベルアップが必要とされる。
その根幹に位置するのがフィジカルアップだった。
173cmは世界的に見れば「全然、小さい」
高橋は昨年、テレビのバラエティ番組でも取り上げられるなど、その173cmの長身とモデル顔負けのスタイルが大きな話題になった。だが、醍醐コーチ曰く「それだけでは世界とは戦えない」という。
「細くて軽いというのは確かに走高跳においては一つの武器にはなります。ただ、それは外国人選手並みの身長があってこそ。173cmというのは走高跳で世界的に見れば全然、小さいですし、そうなると筋力やパワーがないと戦えない。いまの日本人選手は全体的に細すぎると感じています」
実際にパリ五輪で金メダルを獲得したウクライナのヤロスラワ・マフチフは181cm、銀メダルのニコラ・オリスラガース（オーストラリア）は186cmの長身を誇る。自身も三段跳で日本トップクラスの成績を残した醍醐コーチだけに、跳躍競技における「世界との壁」の感覚はよく分かるのかもしれない。
