マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER

広陵・高尾響、報徳学園・今朝丸裕喜だけじゃない! スカウトたちが熱視線…“100年目の甲子園”で注目したい5人の「無名の逸材」たち 

text by

安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

PROFILE

photograph byJIJI PRESS

posted2024/08/07 18:16

広陵・高尾響、報徳学園・今朝丸裕喜だけじゃない! スカウトたちが熱視線…“100年目の甲子園”で注目したい5人の「無名の逸材」たち<Number Web> photograph by JIJI PRESS

今朝丸裕喜&間木歩の両エースに注目が集まる報徳学園(兵庫)だが、スカウトは三塁を守る西村大和も要チェックだという

 タテに落下するカーブとのコンビネーションを基調として、打者のタイミングをズタズタに外してくるピッチング。このカーブで、たて続けに空振りを奪っているところをみると、すごく落下スピードのあるカーブに違いない。

 PL学園時代の前田健太(デトロイト・タイガース)に柳裕也(中日)、山下舜平大(オリックス)……一級品のカーブは、速球より速いんだ。

 6回途中まで投げて、アウトの半分以上、11三振を奪った山口大樹投手。広陵高の初戦は古豪・熊本工業高。もし勝てば、次が中3日だから、「山口先発」も十分ある話であろう。

今朝丸&間木のいる報徳学園は野手もスゴイ!

 右の快腕として、またドラフト上位候補としても大注目されている今朝丸裕喜投手(3年・188cm80kg・右投右打)擁する報徳学園高。2本柱の間木歩(3年・181cm80kg・右投右打)も含めて、「投」ばかりが話題になるが、堅いディフェンス能力も「激戦・兵庫」を制した大きな要因であろう。

 そのホットコーナーを守っている西村大和三塁手(3年・179cm76kg・右投左打)のフィールディングは、見るたび目を奪われる。

 できれば、試合前のシートノックから、ぜひ。打球に合わせて、スッと動ける自然な入りは、まるで、水の流れのよう。ネコみたいな柔軟な身のこなしは、足の指の関節から、足首、ヒザ、股関節……すべての下半身の関節の可動域の広さを想像させて、捕って、投げる、一連の連続動作の安定感は、見ていて安心。都市対抗で社会人野球のサードを見ているようだ。そして、決して強く投げ過ぎていないのに、白い糸を引くようなスローイング。捕ればアウトの高精度スローだ。

 中学生時代は、遊撃手で「スーパー中学生」だったとも聞く。右中間を破った打球が右翼手→二塁手と転送されて、ワンバウンドでもうすぐそこに返ってきているのに、なおも三塁ベース脇にボンヤリ立っているふりをして打者走者を油断させ、まんまとタッチアウトにした「ナイス、演技!」も目撃している。

【次ページ】 青森からは勝負根性あふれる「隠れた快腕」

BACK 1 2 3 4 NEXT
山口大樹
広陵高校
西村大和
報徳学園高校
生田目奏
花咲徳栄高校
関浩一郎
青森山田高校
竹田海士
北陸高校
高尾響
今朝丸裕喜

高校野球の前後の記事

ページトップ