トルシエ：たしかに役に立つだろう。しかし今日に関しては、言えることはそう多くはない。日本はパラグアイにレベルの違いを見せつけて、試合を完全に支配した。プレーで相手のバランスを崩し、チームを崩壊させた。

　この試合の分析は簡単ではない。表面上は特に何もないからだ。だから留意すべきは日本がトランジションの質の高さを常に示したことと、左サイドのトリオ――斉藤と三戸、大畑が素晴らしかったこと、もちろん藤田と細谷も質の高いサポートで大きな貢献をした。しかし右サイドは見るべきものが何もなかった。関根大輝も佐藤もほとんど目立たなかったし、平河は早々に怪我で退場した。今日の日本は左サイドだった。

サイトウとミトは優れた連係、テクニックだ

――山田楓喜は右サイドが得意ですから、彼が入れば変わるかもしれませんが、それはこれからのことです。

トルシエ：斉藤と三戸は同じクラブ（スパルタ・ロッテルダム）でプレーしているのだろう。

 

――昨シーズンはそうでした。今季は斉藤の離脱が決まっています。

トルシエ：互いにポジションチェンジをしながら、とても息の合ったコンビネーションを見せた。ともにドリブルが得意で優れたテクニックを持っている。日本におめでとうと言いたい。ところで日本人サポーターはたくさん来たのか。

――そうでもありません。モロッコのように、スタジアムを赤で埋め尽くした感じではないです。ただそれでも声援はハッキリと聞こえました。試合後にはゴミを拾って帰途に就いたそうです。

トルシエ：それはとてもいい。

――メルシー、フィリップ。＜つづく＞

#4に続く

「コクボやフジタ、ホソヤにヤマモト、タカイも…メダル候補だ」トルシエが“パリ五輪世代ベタボメ”の理由「バルサ的な形ではない。だが」