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「僕は亡命はしたくない」通算150セーブ達成の中日守護神“ライマル”が今オフ大争奪戦の主役に「決着ラインは16億円?」 参戦する球団は…
text by
小西斗真Toma Konishi
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/07/18 11:01
中日の守護神、ライデル・マルチネス。今オフの大争奪戦は必至だ
「先のことはわからないけど、キューバ人である僕が大リーグに行くには亡命しなければならない。でも僕は亡命はしたくないんだ。本当のことを言うけど、僕はドラゴンズにいたい」
亡命への思いを否定(当たり前だが)した上で、溢れんばかりのドラゴンズ愛を公言した。これにはSNS上では「涙が出てきた」「ライマル好きすぎる」などと歓喜の声があふれていた。
オールスター選出に大喜び
7月2日にはオールスターへの選出も決定。抑え投手部門で初めてファン投票により選出されたこと、2位の栗林良吏(広島)に倍以上の差を付ける87万2310票を集めたことがものすごく嬉しかったようで、感激の面持ちでこんなコメントを残している。
「今回はファンの人たちの投票で選ばれたので、本当にとても嬉しい。特別な思いです。今回は今年でドラゴンズとの契約が切れるから、投票してくれたのかな、とか考えてしまったりしたよ(笑)。ファンの人が『今年で切れるんだから(みんなで)投票しよう』と言ってるのかなあ、って。だって去年もいい成績を残していたのに、こんなには投票してくれなかったから。ようやくセ・リーグのクローザーとしての認知度が上がってきたということでしょうか」
ちなみに昨シーズンのファン投票では阪神の湯浅京己が選出。マルティネスは巨人・大勢に次ぐ3位だった(監督推薦で出場)。成績が急激に上がったわけではないのに得票数が爆上がりした理由が、本人には思いつかないのだ。
決着ラインは16億?
ファン投票と契約の間に関係があるかはさておき、日本人のFAよりもマルティネスの去就がストーブリーグの目玉になるのは確実だ。今シーズンまでの推定年俸は2億3000万円。これに対して今オフに結ぶ新契約は1000万ドル以内が決着ラインと見られている。円安の昨今では15~6億円といったところか。日本球界史上最高額レベルとなる。高い。しかし、そもそもマルティネスが国内市場に出回るのは大リーグに行くには亡命しか手段がないキューバ人だからで、これがドミニカ共和国など他の中南米出身なら、数年で大リーグに戻り、確実に総額数百億円レベルの大型契約を結んでいる。考え方と資金力によっては破格、安いと見ることもできるわけだ。