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「僕は亡命はしたくない」通算150セーブ達成の中日守護神“ライマル”が今オフ大争奪戦の主役に「決着ラインは16億円?」 参戦する球団は…
posted2024/07/18 11:01
text by
小西斗真Toma Konishi
photograph by
Kiichi Matsumoto
中日のライデル・マルティネスが7月12日の阪神戦(バンテリンドーム)で、通算150セーブを達成した。史上19人目。外国人としてはデニス・サファテ(ソフトバンクなど、234セーブ)、マーク・クルーン(巨人など、177セーブ)に次いで3人目で、登板283試合目での到達は、クルーン(250試合)、馬原孝浩(ソフトバンクなど、267試合)、山崎康晃(DeNA、275試合)に次ぐスピード記録であった。
失敗しない男
「ファンの皆様の前で150セーブを達成できてうれしい」
本拠地のファンに感謝を伝えた右腕だが、その凄さはこうした成功よりもこの前日(DeNA戦、横浜)の失敗でこそよくわかる。1点差で9回のマウンドに上がり、2死から四球を出し、牧秀悟にライトフェンス直撃の同点二塁打を打たれた。試合は延長10回にサヨナラ負け。中日がこの日のような「8回終了時にリードしていた試合」を落とすのは2021年9月8日以来のことで、何と143連勝でストップした。
もちろん大差のケースもあるのでこのすべてにマルティネスが関わっているわけではないが、右腕自身も昨シーズンの5月3日以来、実に50機会連続でセーブを挙げていた。まさに失敗しない男。打たれてニュースになるクローザーなのである。
「メジャー挑戦の意思は?」
そのマルティネスの言動に、かつてないほどの注目が集まっている。きっかけとなったのは、CBCテレビのドラゴンズ応援番組「サンデードラゴンズ」でのインタビューだ。今シーズンで3年契約が終了するマルティネスに、番組では大胆にも「メジャー挑戦の意思があるか?」を質問。キューバ人の選手がメジャーリーグでプレーするには制度上、亡命する必要があるため仮にそんな希望があったとしても「チャンスがあれば」などと答えるはずはないのだが、マルティネスは律儀にこんな言葉を発している。