「玖生は高校時代からパリ五輪世代というのを自覚していたし、高3のときに3冠するなど、メディアでも候補選手として騒がれてきた。FC東京でも1年目からレギュラーを掴み、五輪のメンバー入りはほぼ手中に収めていたと思う。移籍の可能性は以前からあったと思うが、チームが決まらなければ方針も見えずに行ける、行けないの判断がつかず、アバウトな状態のなか選ばれなかったのでは……」

　詳しい状況を知らないなかコメントするのは難しいとしながらも、教え子の心中を察するように、移籍があるにしても周囲がもう少し早い動きができていたら違う結果もあったのでは、と語った。

青森山田高時代の黒田剛監督と松木玖生　©AFLO

“落選”をいつ知ったのか？

　今回のパリ五輪メンバー発表、選手やクラブ関係者も会見のYouTubeを生配信で見て知ったという。

　五輪への選手派遣について、Jクラブと日本サッカー協会の間では、原則1クラブ最大2人までという制限があったが、FC東京は4日時点で、3人以上の招集にも応じる意向を示していたとの報道も出た。

　松木本人は現時点で「自分の口から言うことはない」としているが、落選は寝耳に水だったのだろう。

　松木の海外移籍について水面下でどこまで話が進んでいるかは不明だが、JFAとFC東京の双方がどこまでコミュニケーションを取っての判断だったかは気になる部分である。メンバー選考は指揮官の専権事項であるし、最終的な決断は大岩監督が下したのだろう。であるならば、各所にもう少し丁寧な説明があってもよかったのでは……。そう感じているサッカーファンも少なくないのではないだろうか。