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「石川祐希はやっぱりスゴい」「あれはエグい」セッター関田、リベロ小川がベタ褒め…男子バレー世界一のために必要な“世界最高峰の日常”とは?
 

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田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

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photograph byYohei Osada/AFLO SPORT

posted2024/06/05 11:05

「石川祐希はやっぱりスゴい」「あれはエグい」セッター関田、リベロ小川がベタ褒め…男子バレー世界一のために必要な“世界最高峰の日常”とは?<Number Web> photograph by Yohei Osada/AFLO SPORT

ネーションズリーグ福岡ラウンドから日本代表に合流した石川祐希。圧倒的な存在感でアジアの強豪イラン撃破に貢献した

 イタリアで築き上げた姿は日本代表でも変わらず、公開練習でもスパイクを一本打つたびに、ジェスチャーと言葉で「もっと高く」と要求する。少しのズレでも決して曖昧にせず、必要ならば衝突すらも厭わない。

 特にネーションズリーグは消化試合ではなく、パリ五輪に向けた熾烈なメンバー争いの場でもある。石川と高橋藍が加わったアウトサイドヒッターは最も熾烈とされ、前述の通り、ブラジルラウンドでは大塚達宣、高梨健太、富田将馬、甲斐優斗がそれぞれの持ち味を発揮して勝利につなげた。石川は「(高橋藍と)俺ら、いらないじゃん、と話していた」と笑うが、日本代表がさらに一段上のステージで勝負するためには層の厚さが求められる。それを一番求めているのが石川に他ならない。

「(パリ五輪登録メンバーは、現在の14名から)ここから12人に絞られる。その12人は強くないといけない。今はバチバチするタイミングだと思うし、それができなければ負けてしまうし、ポジションを取られてしまう。もちろん僕も、自分のすべきバレーを見せたい。目指すのは、誰が出ても強いバレーができるチームなので」

「セキさんも藍も欠かせない軸。でも」

 高まる期待に、最高の形で応える。小川の言葉が、石川への絶大な信頼を物語っていた。

「ここ一番というところで絶対に(石川に)上がってくるし、何より『俺は勝負強い人間だ』と周りに思わせるのがすごい。そんな選手、いないと思うんです。勝負所になるとギアが上がるようにも見えるじゃないですか。でも祐希さんはずっと同じプレーをし続けられるだけで、特別何かが変わるわけじゃない。だけど決めてほしいところでは絶対に決めてくれるから、周りはやっぱり『祐希さんは勝負強い』と思う。このチームは、みんなすごいし、誰が出ても強いチームだと自信をもって言えるし、セキ(関田)さんも、藍も欠かせない軸ですけど、そのチームをまとめているのが石川祐希。これは間違いないし、絶対です」

 まさに、石川祐希。これぞ、石川祐希。

 すべての人をうならせる。そんな一本を見せ続ける。強くなること、勝つことに貪欲な主将の真骨頂を見せるのは、まだまだここからだ。

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