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51戦無敗で最強バイエルンの12連覇を阻止、日本代表選手も脱帽「レバークーゼン」なぜ強い? 「シャビ・アロンソから物語は始まった」
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph bydpa/JIJI PRESS
posted2024/05/28 17:00
レバークーゼンはバイエルンのV11という長期王朝を打ち破り、無敗でブンデスリーガ優勝。そしてドイツ杯(DFBポカール)も制覇し国内2冠を達成
板倉滉が昨季語ったレバークーゼンの強さ
元々高いポテンシャルを備えた選手をそろえていたレバークーゼン。監督に就任したアロンソは瞬く間に選手の信頼を勝ち取り、攻守のバランスを整え、自分達の特徴を出しやすいように修正を加えていく。原則の徹底と鋭いカウンターで勝ち点を重ね続け、終わってみれば22-23シーズンは6位でフィニッシュ。見事ヨーロッパリーグ出場権を獲得している。
昨季対戦した時にボルシアMGの板倉は「前にクオリティ高い選手がいるなっていうのは試合前からわかってましたけど、実際に試合ですごいそれを感じた。ボールの失い方が悪いと鋭いカウンターをあっという間に受けてしまう」と話していたが、今季のレバークーゼンはそこにさらに別次元の速さが加わった。
それは判断の速さだ。そして判断の速さを助けているのがやるべきことの的確な整理。ピッチ上の選手は、それぞれの状況で何に気を付けて、どんな優先順位で、どんなプレーをすべきかが骨身にまでしみている。アロンソ監督のディテールへのこだわりはとてつもなく、それがチームに浸透している。選手は攻撃でも、守備でも、ボールの動きや相手の位置取りから次の展開を予想して、小刻みに体の向きと立ち位置を変えながら準備し続けているのだ。
ミュラー(バイエルン)からの評価
誰もがレバークーゼンの強さを認めざるをえなかったのは、ホームでバイエルンを3-0で打ち砕いた試合だろう。結果以上に内容で圧倒。ドイツ代表FWのトーマス・ミュラー(バイエルン)が試合後のテレビインタビューで思いのたけを爆発させていたのが印象的だ。