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岡崎慎司が「もう監督信じない」「恐怖症なんです」…いま明かされる、欧州での苦闘 支えとなった「一緒に戦ってくれた家族」「プロジェクトX」
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph bySTVV
posted2024/05/19 17:00
現地時間5月17日、遂に引退を迎えたシントトロイデンの岡崎慎司。海外挑戦初期から岡崎を取材してきた筆者は現役終盤に意外な本音を聞いていた
そして岡崎にはその闘志を支え続けてくれる家族がすぐそばにいた。シュツットガルトからマインツ、イングランドのレスター、スペインのウェスカ、カルタヘナ、そしてベルギーのシントトロイデン。欧州様々な地を転々としながら、家族とともに生活するのは簡単なことではない。
「心の支えというよりは、『僕についてきて一緒に戦ってくれているんだ』っていうのをある時ふと感じたんです。シュツットガルトでめちゃくちゃ悩んでるときに、奥さんはそういう状態でもネガティブな言葉を口にしなかった。『もう日本に帰りたいな』とか、『私たちは日本に帰るよ』ってなるような状況だってあったはずなんです。でも、そこでネガティブな風にならなかった。本当に家族のおかげですよね。おかげで僕はサッカーにずっと集中して取り組むことができました」
子どもの成長に「普通にそこまで話せるんだ」
子どもたちが小さいころからいろんなところに引っ越しをし続けている。ただ周りのサッカー選手には、家族がいて子どもがいて海外を転々としてという先駆者がいない。どうすればいいのかを常に自分達で考えなければならなかった。
「みんなで一生懸命『どうやったら、うまく暮らしていけるんだろう』って。何もわからずにずっと進んでいたのかもしれない。でもある時子どもも大きくなって、ふとこっちの生活に慣れてるのが見えたとき、例えば英語で会話してるのをそばで見て、『ああ、もう普通にそこまで話せんだ。すごいな』と、感じたんです。そして『これだけで十分だな』みたいなふうに思ったんです」
様々な人との縁を大切に、岡崎は欧州を駆け続けた。身体がボロボロになるまで戦い続けた。戦いきることができた充実感を胸に、視線はすでに次の目標へと向けられている。今度は指導者として世界で戦うために。
「挑戦」が一番のキーワード
「何をするかってなったときにやっぱり挑戦するっていうところが自分にとっての一番のキーワード。そこはきっと一生変わらないかもしれない」
新たな扉を開き、生涯チャレンジャーの岡崎が次の一歩を踏みだす。