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「佐々木朗希が投げ、横山が抑える試合で…」ロッテ・佐藤都志也が今も温める“あの日の夢”と同期の絆「みんな立派になったなあ、って」
posted2024/04/18 11:02
text by
梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph by
Chiba Lotte Marines
最後を締めたのはプロ5年目の横山陸人投手だった。
4月7日のバファローズ戦、マリーンズの絶対的守護神である益田直也投手が不調のため抹消となり、回ってきた出番を三者凡退できっちり抑えた。本拠地ZOZOマリンスタジアムではプロ初となるセーブ。若き右腕はベンチに戻る途中、ウイニングボールを今季初勝利を挙げた佐々木朗希投手に渡そうとした。同期入団の2人はボールの譲り合いを繰り返し、にこやかに少し話し合ったのち、最後は佐々木が静かに受け取った。
「そりゃあ、今季1勝目のボールですから。朗希がもらうべきだと言いました」と横山は笑った。
夕陽に照らされた光景
その光景を嬉しそうに見つめていたのはこの試合、マスクを被った佐藤都志也捕手だった。佐藤都もまたプロ5年目。2019年のドラフト会議で2位入団した。佐々木(同1位)、横山(同4位)とは同期入団になる。ロッカールームに戻った佐藤都は嬉しそうに話した。
「いい光景だなあと思って、思わず見つめてしまいました。デーゲームが終わって、ちょっと陽が沈みそうになっている中で、みんなで勝利のハイタッチをして、2人はウイニングボールをどうするかと相談し合っている。ボクの目の前でお互いが譲り合っていた。これからこのチームを引っ張っていく2人。こういうシーンはこれから何度も見ることができるのかな、と思わず考えてしまいました」
横山が口していた「夢」
もう一つ、思い出した懐かしい出来事があるという。
「入団したばかりの頃、横山がボソッと話をしていたのを思い出します。『都志也さんがマスクを被って、朗希が投げて、そのあと自分が抑える。そんな試合をいつかしたいですね』と。そのことをふと思い出しました」
この日は、そんな場面が初めて実現した試合だった。