プロ野球PRESSBACK NUMBER
「佐々木朗希が投げ、横山が抑える試合で…」ロッテ・佐藤都志也が今も温める“あの日の夢”と同期の絆「みんな立派になったなあ、って」
text by
梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph byChiba Lotte Marines
posted2024/04/18 11:02
2019年ドラフト同期入団の(左から)横山陸人、佐藤都志也、佐々木朗希
2019年ドラフト同期
2019年の同期入団は育成選手を合わせて7人。みんな仲が良かった。1月の合同自主トレ中は寮で、2月の石垣島キャンプ期間中は宿舎ホテルでよく誰かの部屋に集まった。「朗希はテレビゲームが上手いらしい」という話となり、テレビゲームに興じることも多かった。野球ゲームに対戦アクションゲーム、カードゲーム……。練習後の自由時間には、朗らかな笑い声が響いていた。
プロ1年目、佐藤都には嬉しい思い出もある。キャンプイン寸前の1月27日、石垣島で22歳の誕生日を迎えた。練習を終え、いつものようにホテルの自室で同期入団の選手たちと談笑をしていた。部屋には佐々木と横山。同じ大卒捕手の植田将太と大卒ピッチャーの本前郁也という新人バッテリー陣が集まっていた。
嬉しかった“サプライズ”
いつものように他愛もない会話をして、少しばかり時間が経ってから横山に「都志也さん、ちょっと2人だけで話がしたいです」とふと部屋の外に呼び出された。廊下で話を聞くと、とりわけ深い中身がある話でもなく「わざわざ部屋の外に呼び出して話をすることではないのでは」と思った。その時の横山のニヤニヤした表情が印象的だった。
不思議に思いながら、部屋に戻ると机の上にショートケーキが用意されていた。その場にいた全員で「ハッピーバースデー」と歌ってくれた。佐々木が発案したサプライズ企画で、同期の仲間たちがわざわざ街に買いに出て用意してくれたバースデーケーキだった。
「みんな立派になったなあ」
「あれは本当にサプライズ。嬉しかったし今も忘れられない。そんなことも思い出します」と佐藤都は振り返り、クスッと笑いながら付け加えた。
「上から目線で申し訳ないのですが、あれから4年の月日が流れて、みんな立派になったなあと思う。朗希はもちろんですけど、横山も凄いボールを投げている。あの時は本当にまだ高校生の雰囲気があって、4歳上の自分からしたら可愛い弟みたいな感じでしたけど」