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中日・立浪和義はなぜ中田翔獲得を熱望したのか? 指揮官が問題視した、2年連続最下位チームの“ゆるさ”「緊張感がなさ過ぎる」「叱ってくれる先輩がいない」
posted2024/04/17 11:02
text by
喜瀬雅則Masanori Kise
photograph by
JIJI PRESS
そもそも試合前に満腹となるまで食べるか? と聞くと…
2023年夏、SNS上で『米騒動』のフレーズが席巻した。
その頃、調子を落としていた細川成也が、試合前にお腹いっぱい、ご飯を食べているように見えたという。立浪は、その“復調策”の一つとして「ご飯を減らせ」と提案したところ、そこから細川の成績が再び上がってきた。
そうした流れの中で、選手サロンから白ご飯のジャーが撤去されたのだ。
中日では、白飯が食えない──。
これを一部メディアが「米騒動」の見出しで報じたのが、一連の騒ぎの発端だった。
しかしそもそも、試合前に満腹になるまで食べるだろうか?
「そうですよ、当然ですよ。緊張感がなさ過ぎるんですよ」
立浪の舌鋒が、鋭くなった。
自分は悪いことも間違ったことも言ってない
「試合前から、試合に入るルーティンで緊張していれば、もちろんお腹がすく時だってありますよ。でも人間って、食べて胃の消化をすることに集中したら、絶対に眠くなるじゃないですか。そんなの、当たり前のことですよ。別にそんなことで、自分は悪いことも間違ったことも言ってない。ちゃんと現に、おにぎりくらいは置いていますから、全く食べるなとか、そういうことも言ってないんでね。最近、報道の自由っていうのはあるかもしれませんけど、行き過ぎですよね。批判が成長を妨げますよね。だから、あんまり度を越したら、こっちも何もしゃべらんよ、という話になりますよ。もう何をしゃべっても、しゃべった部分の一コマ、悪い言葉を切り取って出すんで、疲れますよね」
メディアの一員として、野球記者の端くれとして、耳が痛かった。
4、5年前まではなかったことですよね
最近では、試合後にあまり間を置かず、消耗したエネルギーを補充するのがコンディションを整えるためにも重要だということで、ユニホームから着替え終わった選手たちが、栄養バランスが計算された定食などを食べているシーンを、よく見かけるようになった。