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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
「エンドウは私の予想を裏切った」現地でイギリス人“辛口”記者に聞いた…リバプール遠藤航“本音評価”「入団当時は苦戦していたのに…」
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byGetty Images
posted2024/04/08 18:00
アジアカップ後のプレミアリーグ8試合中6試合で先発出場する遠藤航(31歳)。名門クラブのレギュラーに定着した
「先生が授業でビートルズの曲を流し、生徒たちが歌っていたそうだ。おかげで、エンドウもビートルズの曲を覚えたという。もちろんビートルズはリバプールの出身。小学校時代のエンドウ少年はビートルズがリバプール出身とは知らなかったようだが、『今、僕はこうしてリバプールにいる』と笑っていた」
このインタビューの際、ノースクロフト記者が特に興味を抱いたのは、ポジション取りに関する遠藤の説明だったという。同記者は説明する。
「エンドウによれば、他のチームならリバプールよりも低い位置でデュエルに挑むが、クロップ体制では通常より高い位置でボール奪取を試みるそうだ。そのため、ポジション取りも5メートルほど高い位置に設定している」
「エンドウのここが一番変わった」
クロップ監督が志向するのはゲーゲン・プレス、つまり、ボールを失った瞬間から相手に素早く寄せてボールを奪い返す戦術を基本型としている。「インテンシティの高いクロップのサッカー」と「デュエル王の遠藤」の相性はもともと良いが、ノースクロフト記者は「その中でエンドウはポジショニングがとても良い」と評価する。「非常にクレバーな選手」と続け、その理由をこう説明した。
「エンドウは、クロップ監督の戦術を完璧に理解している。チームの狙いがどこにあるのか。状況に応じてどこに位置を取ればよいのか理解しているので、正しい場所にポジションを取れている。ある時は高い位置からボール奪取にトライし、またある時はDFラインからパスの引き出し役になっている。エンドウは、試合状況に応じて自身の役割を果たしているよ」
昨年8~9月の時点で、ノースクロフト記者は、遠藤がここまでリバプールで大きな役割を担うとは考えていなかったという。しかしインタビューが紙面に掲載された12月上旬、遠藤はリバプールでレギュラーの座を奪取。序列をレギュラーまで引き上げた理由を、同記者は次のように分析した。