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「ヨシダへの期待は絶大だった…」吉田正尚30歳、“勝負の2年目”に輝きを取り戻せるか? 地元ベテラン記者のリアルな声「今季はDHが75%」
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byGetty Images
posted2024/03/27 11:02
真価が問われるMLB2年目を迎えるレッドソックス吉田正尚(30歳)
吉田が受け取った5年9000万ドル(約124億円)という大型契約を考えれば、1年目の最終的な成績はレッドソックスが満足するものではなかったかもしれない。実際に昨季開始前、吉田にかかる期待は絶大だった。もともと吉田に関して最も喧伝されていたのはパワーの素晴らしさだったが、蓋を開けてみると、出塁率はかなりよかったものの、パワーナンバー(=本塁打)が物足りなかった感は否めない。
ただ、新しいリーグ、遠征といったメジャーリーグの様々な要素に適応する難しさを考慮すれば、それでも吉田は審査をパスしたと考えてもいい。そういった経緯を経て迎える2024年、吉田の真価が問われるシーズンになる。
昨季よりも成績アップが望める理由
前述通り、今季、レッドソックスは吉田を主にDHとして起用する意向だ。外野も守らせるとも話していたが、春季キャンプ中はやはりDHがメインだった。だいたいDH出場が75%、レフト起用が25%くらいになるんじゃないかな。
今オフ、チームは守備力では吉田より優れていると見られているタイラー・オニールを獲得した。それと同時に、DHの機会を増やせば、吉田をより多くのゲームで起用し、より優れた力を発揮できるという考えがあるに違いない。まずは体力的に消耗せず、同時に守備につかない間、相手投手の研究に時間を費やせるのであれば、2024年は打撃成績の向上が期待できるのだろう。
ここで今季の数字を予測するなら、打率.280、22〜25本塁打、75〜80打点くらいか。今のレッドソックス打線は上質なものになるポテンシャルがあり、それが実現すれば走者をおいて打席に立つ機会が増え、吉田の打点が増えることも考えられる。打順がどうなるかはまだはっきりしないが、2、3番ではなく、5、6番を打つのであれば、打点が多くなっても不思議はない。
いずれにしても、私は吉田の打力を評価しており、2024年は20本以上の本塁打は打つと予測している。重要なのは、レッドソックスが吉田の力を最大限に引き出すためにベストを尽くそうとしていること。DH起用もその手段の1つだ。その努力がどんな成果を生み出していくかは興味深い。もしもうまくいかなかった場合、その後、どうするべきかという話になるだろうから。