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「ヨシダへの期待は絶大だった…」吉田正尚30歳、“勝負の2年目”に輝きを取り戻せるか? 地元ベテラン記者のリアルな声「今季はDHが75%」
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byGetty Images
posted2024/03/27 11:02
真価が問われるMLB2年目を迎えるレッドソックス吉田正尚(30歳)
レッドソックスのチームについて触れておくと、今季は戦力が整っておらず、うまくいっても勝率5割がせいぜいではないか。ア・リーグ東地区は強力な地区であり、その中でレッドソックスはライバルたちに遅れをとっている。打線には核がもう一枚必要で、投手陣、先発ローテーションには大きなクエスチョンマークがつく。
昨秋、投手陣の強化を念頭に補強に動くと宣言しておきながら、結局は山本由伸の獲得を狙った以外、投資の意思を見せなかった。ルーカス・ジオリトとは契約したが、すぐに故障してしまった。山本には3億ドルくらい注ぎ込むつもりだったようだが、ブレイク・スネル、ジョーダン・モンゴメリーといったFA選手獲得のために財布の紐を緩める意図はなかったようだ。
来季以降の補強に目を向けているのかもしれないが、今季は厳しい戦いになることが予想される。昨季は78勝に終わったチームに大きな上積みがあるようには感じられず、うまくいっても81、82勝くらいではないか。
吉田獲得の責任者はチームを離れ…
そうなってくると、チームの周囲は騒がしくなる。昨オフ、1年目のシーズンを終えたばかりの吉田の周囲にはトレードの噂があった。今後、トレードがあるかどうかは私にもわからない。1つ言えるのは、吉田を獲得したハイム・ブルームはすでにチームを離れ、後任のクレイグ・ブレスロー(ベースボール部門最高責任者)は気持ち的な面で吉田への執着はないであろうこと。その手段が何であれ、ブレスローはチームにとってやらねばならないことを実行するだろう。
ただ、吉田の大型契約を考えれば、他のチームとの取引をまとめるのは簡単ではない。トレードしようと思えば、残り年俸の一部を負担するか、プロスペクトを一緒に放出しなければならない。そうすることはチーム側の本意ではない。それよりもレッドソックスは吉田が活躍し、チームの勝利に貢献してくれることを望んでいるはずだ。