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「選手会に入っている意味がないと判断された」佐々木朗希ら脱退…會澤翼会長が“本当に伝えたかったこと”「麟太郎くんのケースも今後増える」
posted2024/02/16 11:06
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph by
JIJI PRESS
個人事業主(選手)と雇用者(球団)の待遇改善交渉などを行い、ほとんどの日本人選手が加入している組織、日本プロ野球選手会。今オフ物議を醸した人的補償、球界スター選手の脱退に対する選手会の本音とは。会長・會澤翼氏(広島)、事務局長・森忠仁氏、顧問弁護士・松本泰介氏がロングインタビューで語った。第2回は「佐々木朗希らスターの選手会脱退」について。〈全3回の2回目〉
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淡々と質問に答える日本プロ野球選手会会長の表情が曇ったのは、やはり“あの件”を訊ねた時だ。
「今の選手だけでやってきたわけではない」
2月某日、カープ日南キャンプの合間に実施したインタビュー。「会長に就任してからは10年後、20年後の野球界について考えてきた」という會澤翼は、プロ野球界のスター・佐々木朗希(22歳)の選手会脱退について触れると「寂しいですよね」と嘆息した。
「選手会は、今の現役選手だけでやってきたわけではない。(脱退したときの佐々木は)高卒3年目を終えた時点でしたが、選手会としてもう少し寄り添えた部分はあったのかな。選手会ってこういうところなんだよ、というのを伝えきれなかった。やはり、(脱退者を)出してはいけないと思うんですよね」
メジャー志向選手には「所属のメリットない?」
佐々木の脱退を悪く言わないのは会長としての立場があるためだろうが、會澤の言葉の行間からは忸怩たる思いが伝わってくる。以前にも山本由伸(現ドジャース)が同じように脱退していた。2人に共通するのはメジャー志向が強かった点だ。
會澤会長自身も選手としてメジャーを志した時期があっただけに、高い目標を持つことに理解は示している。ただ「選手会に所属していても意味がない」と思われてしまったことには無力さを感じ、「先代の方々」へのリスペクトを表明しながら、無念の思いを口にした。会長として、これまで選手会が勝ち取ってきた歴史を誰よりも理解しているからだろう。