- #1
- #2
欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
遠藤航、19歳若手の“ハグ”が話題に…「なぜ遠藤はリバプール後輩に愛される?」英国紙がホメた「リバプールには“3人のキャプテン”がいた」
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byGetty Images
posted2024/03/01 17:06
2月25日、リーグカップで優勝。リバプールで初タイトルを獲得した遠藤航(31歳)
日本代表で主将を務めている遠藤だが、強豪リバプールでもベテランとしての強い自覚を持ち、チームを引っ張っていこうという気概に満ちている。
大声を張って仲間を鼓舞することもあるが、遠藤のそれは、先頭に立って半ば強引にチームを引っ張るリーダーシップとは少しばかり趣が異なる。熱い闘志を胸に秘めながら、チームメートや仲間にそっと寄り添うキャプテンシー、と言えばいいだろうか。
リーグカップ決勝の後半終盤から、リバプールは劣勢にまわった。リーグ中位の11位に沈んでいるとはいえ、相手は各国代表選手が揃うチェルシーである。青の軍団が、猛攻を仕掛けた。
そこで後半42分、クロップ監督が動いた。経験値の高いアレクシス・マクアリステルやコーディー・ガクポを下げ、代わりに19歳のマコーネル、18歳のジェイデン・ダンズを投入したのだ。この結果4−3−3の中盤の編成は、遠藤(31歳)、マコーネル(19歳)、ボビー・クラーク(19歳)の3選手になった。
この選手交代について記者から質問が飛んだ。「この試合は決勝戦で、しかも接戦だった。また、遠藤選手は足を痛めていた。でも、中盤の残りの2人が両方とも10代の若手選手になった。プレッシャーはあったと思うが、どういう心境だったのか」と。
筆者は、「大変でした」といった答えが遠藤から返ってくるものと思った。だが、31歳MFの回答は違った。遠藤は静かに話す。
「途中から若い選手が入ったけど、入りも良かったと思います。思い切ってやってくれてたと思います。もちろん、ちょっとしたミスはありましたけど、基本的にはしっかりファイトしていたし、落ち着いていた。10代とは思えないぐらいのプレーをみんな披露したと思います。
そこはやっぱり、僕がどうこう言うより、彼らの自信だったり、メンタリティだったり、そういうところをシンプルに評価してあげればいいと思う。もちろん自分は、サポートできるように、というのは意識してましたね」
実はこの決勝戦の4日前に行われたルートン戦で、遠藤に「リバプールでの心構え」について聞いたことがあった。遠藤の回答は「“リバプールは自分がやらなきゃいけない”ぐらいの気持ちでやっている」とのことだったが、プラスアルファとしてこんなことも話していた。
「新しい選手とか、若い選手も試合に出てくる。自分は新人ではないし、そういう選手たちのサポートもしなきゃいけない。そういうところは、経験のある選手に求められるタスクのひとつと思っているので。自分のことばかり気にしすぎず、周りとの関係性とか、若い選手が出た時のサポートみたいなのを含めて、やっていかなきゃいけないと思っています」
遠藤が語る“アジアカップ敗退”
もう少しハッキリと遠藤のリーダー像が見えたのが、日本代表のアジアカップについて尋ねたときだった。